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新体操の舞台「BLUE VOL.2」特集 Part3
荒川栄×上野暁子 〜 BLUE ties impression. 〜
新体操の舞台「BLUE VOL.2」特集 Part3 荒川栄×上野暁子 〜 BLUE ties impression. 〜
新体操の舞台「BLUE VOL.2」特集第3弾・完結編には「BLUE」仕掛け人である青森山田高等学校男子新体操部の荒川栄監督とTDM編集長兼「BLUE」プロデューサー上野暁子が登場。

2013年1月、極寒の地・青森では異例の2000人を動員した舞台「BLUE」。今回は、前回を上回る3回公演。荒川氏と上野暁子はそのプレッシャーとも言える挑戦を、現実的に受け止めながらも、楽しむことを忘れていない。それは、2人だけではなく、前回からひと回り成長した男子新体操選手たち、そして、前回に引き続き演出をてがける黒須洋壬氏をはじめとする強力なダンサー・スタッフ陣も同じなのだろう。

そもそもなぜ“男子新体操”と“ストリートダンス”が相乗できるようになったのか・・・2人がこれまでつなげてきた絆の軌跡も振り返るロングインタビュー。

※本インタビューは「BLUE VOL.2」パンフレットからの抜粋掲載です。

Zeebra●荒川栄

青森山田高等学校・男子新体操部監督。
1973年生まれ。青森県八戸市出身。青森山田高校3年時に主将として全国高校選抜、インターハイ、国体の全国大会3冠を達成。その後、国士舘大学へ進学し、全日本学生選手権個人総合で前人未到の3連覇を達成。大学卒業後、岩手県の女子高校の非常勤講師になると同時に、滝沢南中学校の体操部コーチを務める。その後、96年に新体操部が新設された盛岡市立高校に赴任し、男子新体操部を創部6年で全国制覇に導く。2003年4月、母校である青森山田高校・男子新体操部監督に就任。12年間で団体11度、個人5度の全国優勝を遂げる。現在は部活指導と同時に新体操を世界に広める為の様々な活動を仕掛け、その一環として世界初の新体操とダンスを融合させたプロユニット「BLUE TOKYO」のプロデュースを行っている。さらに、今年1月には青森山田高校、青森大学、そしてBLUE TOKYOとBLUE TOKYO KIDSで舞台「BLUE」を開催し、1回公演2,000人を完売させ成功を収めた。2014年2月7・8日「BLUE VOL.2」の開催も決定。真冬の豪雪青森に来場者6,000人動員を目標に現在製作中。

・著書「新体操ボーイズ〜熱血先生、愛と涙の青春奮闘記〜」(発行所 株式会社青志社)

BLUE VOL.2特集
Part1はこちら

Part2はこちら



初演「BLUE」の反響。三宅一生氏。映画化。

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昨年1月の「BLUE」を終えての反響はいかがでしたか?

荒川

荒川思っていたよりも大反響を頂けたと思っています。青森では2月のイベントは非常に危険だと言われています。それはなぜかというと、雪のためです。だから、冬にイベントをやる人は少ないんです。

でも、去年の冬に「BLUE」で2000人を動員したという事実は、我々のイベントが成功した実感と、またそれと同じくらい、青森県の文化に刺激を与えることができたなと思います。

前回、ありがたいことに多くの方からギリギリになってチケットを買いたかったけど、チケットが買えない状況になりました。そして、今回の第2回目のプロモーションをしていて、「チケットはプレミアで取れないでしょ?」とよく言われました。これは本当にありがたい話です。

傾向としては、前回のリピーターの方と、あとは、口コミで反応してくださる方が多いですね。昨年は他県からの方が多く来ていただいたのですが、今回は青森で開催する意味でも、県内の方にもっと意識してもらいたいと思ってプロモーションしています。

主にテレビ、新聞、ラジオ、学校関係にアプローチをかけていますが、青森県に「BLUE」を認知してもらうのには、時間がかかるでしょう。そういう意味でも、この舞台は、やり続けることに意義があると思っています。物理的なトラブルがない限りは、3回目、4回目とこれからも続けていきたいと思っています。

TDM

それは、「BLUE」ファンにとって嬉しい話ですね。AKIKOさんも東京にいながらにして、前回の反響は実感されましたか?

上野暁子 (以下AKIKO)

AKIKOもちろん。率直に、「BLUEを作ろう!」となった時から、「形になった!」「終わった!」まで、質の良いつながりを肌で感じることが多かったです。

特に、荒川監督がテレビとつなげてくれて、「BLUE」が放送されたのをきっかけに、デザイナーの三宅一生さんが知ってくださって、昨年7月の青森大学とのコラボレーションの実現につながりました。


「青森大学男子新体操部」: 2013年7月18日(木)、国立代々木競技場第二体育館で開催された三宅一生による企画公演。演出・振付家としてダニエル・エズラロウ氏を迎え、「舞い上がる身体、飛翔する魂」をテーマに、部員たちは「水」となって、大自然や生物たちを表現。大歓声と拍手につつまれた。

当然、純粋にショーも衣装もカッコよかったですし、きっかけは洋服のプロモーションから始まったことではあったと思うんですが、結局、ショーを作ることに集中してくださり、感動しました。

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そして、それがさらにつながって、現在ではあの公演が映画「FLYING BODIES」として上映されていますね。この一連のつながりをどう捉えていますか?

FLYING BODIES: 「青森大学男子新体操部」を中野裕之監督により収められた映画。2014年1月25日(土)〜2月28日(金)まで青森松竹アムゼ(サンロード青森隣接)にて上映中。

荒川

地方のイベントなので、みんな、「これは本当なの?本当にそんなすごいことをやるの?」と半信半疑になる人もいると思います。そして我々も創っている側ですし、新体操の世界では全国で活躍してると言っても、正直、「エンターテイメントのショーとして、我々のやっていることは通用するのだろうか?」という不安を抱えながら創っていったのは、自分の中にあります。

その結果、狙ったわけでもなく、ただ露出をしたくてやるような薄っぺらいものでもなくて、ただただ、舞台「BLUE」に情熱をかけた延長上に、「FLYING BODIES」という映画にまでつながりました。やはり我々のやってきたことが間違いなかったと証明できたと思います。

本物には本物の人が反応してくれた。これほど大きなプロモーションはないですね。あとは、スタッフを信頼して、演出家を信頼して、とにかく「いいもの創ろう!!」というのが、すごく広がったんだなと思います。

“BLUE=青森”というブランドを目指す。


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舞台「BLUE」の元をたどると、その昔、AKIKOさんと荒川監督が出会い、青森山田高校男子新体操部がカルピスのCMで起用された年に、WORLD WIDEで新体操とダンスのコラボを実現させ、その後BLUE TOKYO結成へとつながっていくわけですね。

荒川

そうですね。AKIKOには夢を託したというか、自分たちが踏み入れられなかった世界に挑戦できました。

その後、いろいろなお仕事をやらせてもらう時に特にわかってくるんですが、「なんか、それ新体操と違うな。」という仕事もあるし、こちらも新体操の技術をエンターテイメントにするために必死で、僕もたまにあの子たちを羽ばたかせるために、「別に新体操にこだわらなくてもいいじゃないか。」と新体操を見失いそうになる時もありました。

でも、AKIKOとやれたことで、新体操をぶれさせないでやれたと思います。もしAKIKOとじゃなかったどうなってたかな?と考える時もありますよ。

正直言ってこっちは、自信がないところもあったりするんですが、でも、AKIKOは違って、新体操という軸をぶらさない。「あ、そっか。ぶらさなくていいんだ。」と思えましたね。そういった面で、ものすごく信頼してますね。

AKIKO

AKIKOありがとうございます(照笑)。

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AKIKOさんにとって、荒川監督と出会ってよかったことは?

AKIKO

まず・・・おもしろくて、楽しいんです(笑)。それが最初に来ますね。だって、笑っちゃう時間が多いんですよ。でも、全部一生懸命。いろんなハプニングは起こりますけど、結局笑えちゃう。「うん!わかった!じゃ、次は頑張ろうね!(笑)」っていうやり取りを繰り返すことが多くて、エネルギーは荒々しいのですが、すごく実直な方だと思います。

エネルギーがすごくクリアなんです。今回も、青森県の職員の方もすごく協力的に動いて下さいますし、「何かやる時はいろいろご相談ください。」と言って下さります。「BLUE」を作っていくにあたって、そういう青森とつながっていけることの喜びを感じます。

だからこそ、”BLUE=青森”というブランドは確立したいですね。その軸が新体操になると思います。それをエンターテイメントにする作業を東京でおこなって、青森とリンクして、それが世界に通用するものになる・・・それってやっぱりいいなー!と思います。

ダンサー側から言わせてもらえば、学校関係者や監督という立場の人から入っていくことで、エンターテイメント業界ではできなかったこと、考えられなかったことが普通に行われ、開けなかった道が見えてくるのでびっくりする時もあります(笑)。

荒川

それは良かった(笑)。そういえばこの間、青森の食フェアを東京でやっていたみたいで、東京に住んでいる俺の後輩が、「BLUE」のチラシを写メで送ってきて、「今日食フェア行ったら、チラシがバンバン置かれてましたよ!」と言われて、嬉しかったですね。

AKIKO

そうそう、職員の方がそういうところでも動いてくれているんですよ。有り難いことです。

2人の共通項。才能とタイミングをつなげること。


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AKIKOさんも、ダンサーとその才能をつなげ続けていますし、生き様としてそこがお互いに共鳴しているんでしょうかね。

荒川

そうだと思います。すごくAKIKOはアンダーグラウンドを大事にしているし、ダンスという本質を大事にしている。うちらは、新体操という本質を大事にしている。でも、ものを創り上げる時に何が必要か、必然的にわかる。そういった意味では、東京と青森で離れていても、共通理解が持てているところが我らの強みだと思います。

AKIKO

うん・・・質が似てるんでしょうね。

荒川

実は、俺はずっと表現の道に行きたかったんです。だって・・・やっぱり、どう見ても俺、イケメンでしょ?(笑)。

全員

(笑)。

荒川

荒川大学の時も、こう見えてもインカレ3連覇してる訳で、芸能界に入ろうかなと思ったこともあったんですが、バック転はできても、踊れなかった。それで、表現者の道に進む勇気を出せませんでした。

でも、ネクタイを締めて働くのは大嫌い。本当はグラサンをかけて、ベンツに乗っていたい。ACミランの本田選手と同じ、おしゃれです。ファッションです!(笑)。

・・・少し脱線しましたが(笑)。でも、そんな感じで20代の頃、新体操の指導をしながらも”踊りたいな”とずっと思っていました。

その時、たまたま盛岡にダンススタジオがあって、そこの舞台にチャレンジさせてもらったことがあります。そこでの舞台の達成感に、衝撃を受けました。同時に、「新体操もやり方を変えればこういう道もあるはず!」と思ったんです。

男子新体操部では365日、1日4〜5時間練習します。「どうせ苦労するなら、踊れたらいいじゃないか。」と思いまして、当時のコーチにダンスの基礎を教わって、ダンストレーニングを導入しました。

それは、当時の新体操界の中では画期的でしたし、「新体操の伝統を壊している」という批判もありました。

でも、やってるうちに踊れるようになってきました。それが、若かりし頃のBLUE TOKYOメンバー松田陽樹や亀井翔太、白Aで活躍している祝陽平、そして、今の大学4年の小林翔など、毎年「こいつら結構表現ができるかも!」と思う子たちが育ってくる中で、「東京で新体操とつながりそうなダンスイベントはないかな?」と相談して紹介されたのがAKIKOでした。

AKIKO

私は、WORLD WIDEというストリートダンスイベントのプロデュースを年に2回やっています。クラブからスタートさせ、今やホール規模になり、毎回シーンを考えて、一つ一つブッキングしていくことを10数年やってきていて、その中では大きな変化も小さな変化もあります。

そんな中で、ストリートダンスの追求がマニアックになればなるほど、いいこともあるけど、広がらないなと感じている時期がありました。その時に、たぶん青森山田高校だったと思いますが、その男子新体操の映像を見て、「あー、私、やっぱりアクロバットが好きだな。取り入れよう!」と思っていた時期に、同郷の後輩がアクロバットのレッスンを持っている子を紹介してくれたんです。

彼は私と同じ体操クラブに通っていたらしく、そういうつながりもあって、「新体操の演技をダンスに取り入れたいんだけど、そういう話が相談できる人いない?」と話したら、紹介してくれたのが荒川監督でした。

荒川

そうそう。その時、お互いがすごく共通していたのが、次なる向上心、何か変えなきゃいけないという、現実に甘んじてないアンテナがありましたね。

AKIKO

うんうん。そして、互いに求める才能も合っていました。才能とタイミングをブッキングし、つなげるのが自分の仕事だなと思ってるので、それがバッチリだったんじゃないかなと思います。

荒川

AKIKOに俺の才能とタイミングがブッキングされたんですね。


AKIKO

お互いに、ですね。

荒川

そして、出会って1年目は本当に手探りだったので、アクロバットとちょっと踊るくらいの作品で、それでも夢が叶った感じがして、ステージを観てAKIKOとすごく喜んだのを覚えています。それが、青森山田高校男子新体操部で出たWORLD WIDEです。その時に、別で出演していたDAZZLEを観ました。その時にすごく新体操と同じ匂いを感じちゃったわけです。

「こいつら、ダンスだけど、相当練習してるし、相当仕込んでるぞ・・・次はDAZZLEとやりたい!」と思って、2年目にDAZZLEとコラボしました。

はっきり言って、BLUE TOKYOができるきっかけは、DAZZLE+青森山田男子新体操部の作品があったからだと思うんだよね。AKIKOがWORLD WIDEに求めていることとして、ダンスで化学反応を起こす場所だと言っていたけど、そこから我々はできあがったチーム。無理やり形にしたんじゃなくて、お客様からの反応もちゃんと頂けたから、たしかなものになりましたね。


AKIKO

本当に毎回実験とチャレンジですよ。あの作品から、ASTERISKのオープニングの演目にもつながりましたしね。

荒川

そうそう。あのDAZZLEと青森山田高校の作品は、互いの色がはっきりしていたというか、同じ舞台でも、互いのいいところがすごくきっちり分かれていたと思います。

新体操側も当初に比べてダンスに励み、体得してきてはいるけれども、行き着く先には、またあのバランスになるのかなとも思いますね。

AKIKO

あの時は、DAZZLEが新体操を取り入れてるわけでもなく、青森山田がダンスをしているわけでもない。別のことをやっているもの同士が、構成として仕組まれている作りだったから、50/50で、共存してたんでしょうね。

荒川

うん。あのWORLD WIDEでは、高校生ながらにして、DAZZLEの皆さんとあまりにも50/50すぎて、恐ろしいんだけど、そこでステージに立った子たちが自信をつけ、プロとして羽ばたいていけたんだと思います。そして、かつて僕が盛岡の舞台で感じた達成感と同じものを、彼らも感じてくれたんだと思います。

無理にただ教え込まれたものではなく、自然に同じ感情を共有できています。そして、それはとても質の良いものです。

AKIKO

そう。すべてがそのモチベーションでやっていく作業ですね。

荒川

「BLUE VOL.2」ではBLUE TOKYOの新しい作品も楽しみですね。 彼らは後輩たちに見せるので、ごまかしが効かないと思っているでしょう。

AKIKO

BLUE TOKYOのメンバーは毎日4〜5時間の練習はできていません。それは現状、仕方のないことで、彼ら自身も演技の同時性に対して練習する時間ないことをわかっているから、同時性のクオリティの代わりに、個々の表現力でカバーしていくしかありません。

青森大学も青森山田高校も、同時性はほぼ完璧で、一級品。その中に、BLUE TOKYOもいて、そこで最低限見せなきゃいけないレベルが高い。そういう気合も入っていると思いますし、それを踏まえてどういうチャレンジをしてくるかも楽しみですね。

荒川

むしろ、これはもう、大会みたいなものですね。見えないところで、「きっと敵はこういうことをしてくるだろう」「こいつらよりも上に行くためにはどうしよう」と想像しながら練習している我々と同じだろうし、そういった意味でこの「BLUE」は大会と同じだと思います。

AKIKO

たしかに。「BLUE」は、実は全国大会並に勝ち負けを意識している背景を持つエンターテイメントショーケースだね。そこに、照明が入り、演出が入り、生演奏が入ってくる。「BLUE」の本質には、その二面性がずっとあるんですね。

荒川

うん、まさにその二面性を併せ持っています。“新体操”と“ダンス”の融合というのは、すごいチャレンジなんですよね。

AKIKO

その二面性の質の相性が良かったんだと思います。だから、自然と無理なく、そこをぶらさず守れる。

「BLUE VOL.2」を迎えるにあたっては、もちろんいろんな心配もあるんだけど、そこまで「やばい!まずい!」っていうマインドにはならないです。安心感みたいなものがあります。

自分には大事なことであって、僕がしなきゃいけないこと。


TDM

今回の意気込み、想いをどのようにお持ちですか?

荒川

荒川今回は、前回の主役だった故・大坪政幸に依存はしてないですね。前回の主役である政幸は、これからも舞台「BLUE」に存在し続けるんだけど、やっぱり次の一歩を踏み出すという意味で、今回は永井という青森山田の高校3年生が非常に重要な役をやります。

でも、我々チーム「BLUE」は、キッズ・高校・大学・プロがつながっていて、もしかしたら来年はキッズがメインになってもおかしくないし、そういう部分で、メインを担うのは、若いからとか先輩だからとかは関係なくて、そういう可能性も舞台では表現できるのかなと思います。

キッズにとっては、今回一緒にやってるお兄ちゃんたちは日本一のお兄ちゃんたちで、永井という主役を周りのみんなが守っているというか、主役の人とバッダンサーの関係とは違う関係性が築かれています。なので、今回の舞台を観ながら、家族とか教育といった、温かいものを感じれるんじゃないかなと思います。

AKIKO

うん。つながり、仲間だよね。

荒川

うん、そう。実は、今回のリハーサルを見ていて、自分の中で、人生のコンセプトが決まったんです。

やっぱり、“つなげる”とか“つながる”っていうのが自分には大事なことであって、僕がしなきゃいけないことだなと思いました。

昨年、BLUE TOKYO KIDSの元貴監督が立ち上げた一般社団法人の名前が「BLUE ties impression」なんですが、まさにその通りで、「BLUE」と感動を“つなぐ”という想いが込められています。

「BLUE ties impression」での活動は、子どもたちのクラブチームやイベントの運営であったり、ゆくゆくは大きなイベントの主催も見据えていますし、組織がしっかりしているので、信頼をおいてもらいやすく、補助金や助成金のサポートも受けやすくなっています。株式会社と違って、利益ではなく実績と子どもたちのために活動していきます。

元貴は25歳にしていっぱい勉強して、「BLUE」からの感動、達成感を子どもたちにつなげ、高校や大学、プロへとつなげるんだという想いを込めてこの会社名で立ち上げました。そんなの想いもあって、「そう。俺はどんどんいろんなものにつなげていきたいんだ。」と、練習を見ながら思ったんです。

TDM

BLUE TOKYO KIDSはいつ発足されたんですか?

荒川

2012年の9月に立ち上げて、その3ヶ月後に昨年「BLUE」の舞台に立ちました。

TDM

そうなんですね。前回、子どもたちの姿が本当に可愛かったです。

荒川

今回は、それがたくましくなってますよ。 実は・・・

<続きは当日のパンフレットに掲載!!>

■さっぱりしにきてください!(笑)。


TDM

つながりという意味では、今回も県外からの参加者がいらっしゃいますよね。大会で競い合う相手でもある岡山県立井原高校や盛岡市立高校の新体操部が参加されるということで、いい信頼関係でつながってらっしゃるんですね。

荒川

そうですね。監督同士の関係が単なる監督同士の戦いではなくて、共に現役時代過ごしてきた日々があるので。その中でも、岡山の長田監督と盛岡の野呂監督は、すごく信頼があります。うまいから呼ぶのではなくて、「彼ならきっとわかってくれるだろう」と思って出演のお願いをしました。

長田監督に誘った時は、「まず大会でうちらの演技を見てくれ。クオリティが低かったら断ってくれ。」という話をされました。特に今年はBLUEを意識した作品を創ったと言っていました。やっぱり、あいつは粋なんです(笑)。そして、岡山の演技はすごく良かった。

AKIKO

粋ですね。本当にいいショーを創ってくださる。私も井原高校の演技を観ましたが、エンターテイメントを意識してましたね。

TDM

先日の長田監督のインタビューは読まれましたか?

荒川

もちろん、何回も読みましたよ。でも、本当に、大会でしか会わないのに、なにも語らずともわかりあえますからね。これは新体操で培った信頼関係だと思います。

AKIKO

長田監督と荒川監督が会話していると写真を撮りたくなるんです。2人の掛け合いが素敵すぎて。

荒川

ありがとう。野呂も本当におもしろくていいキャラクターなんです。前回はスタッフとして手伝ってくれましたが、今回は監督として部員が出演してくれます。これも楽しみですね。

今回の「BLUE VOL.2」に向けては、みんないろいろなものを抱えながらの制作でした。スタッフの陣営としては、青森大学の薫監督や、BLUE TOKYO KIDSの元貴監督もいて、前回よりもパワーアップしています。ただ、精神的支柱である青森大学の中田部長が、開催直前までドイツ・オランダに1ヶ月行っていたのが山でした。

でも、そんな状況だからこそ、学生の中でのリーダーシップが見えてきましたね。不可能ってないんだなと感じました。それをチームとしてクリアしてきていますし、高校生や学生に対しても、「BLUE」を通じてこういう仕事もわかって欲しいと思っています。実際に、彼らにも手伝ってもらいながら、いいプロジェクトチームになってきたと思いますね。

それに、みんなでワクワク仕事をできたのがいいと思います。何歳になっても仕事はワクワクしていたい。大人になって、仕事を嫌々やって欲しくないなと思うので。

もう、僕は仕事でワクワクしていないと嫌なんです。だから、僕の若さの秘訣はドキドキワクワクです!・・・誰にも聞かれてないけど言ってしまいましたが(笑)。

AKIKO

AKIKO(笑)。でも、たしかにドキドキワクワクしてる、常に私も。すごく単純だけどそういうことなんですよね。そして、いつも全力でやる。

荒川

そう。「BLUE」を長く続けて行けば、もっと唯一無二になっていくと思います。マネしようと思ってもできないものになっていきます。キッズから、高校や大学、プロのクオリティがいいものになっているから、互いに相乗していくでしょう。

しかし、クオリティがいいだけでは舞台は実施できません。地域や学校、親の協力が必要ですし、官民一体となって動かないといけません。

TDM

舞台「BLUE」は世界に向けて発信されていますが、そこに込められている想いは?

荒川

創り上げられた演技を観ることによって、「きっとすごく練習したんだろうな」と選手の頑張りを誰もがすごく想像できる、その背景が見えるのが、新体操のいいところだと思います。

どんなに能力があっても、時間をかけなければ出せないクオリティがあって、それが演技を観ることによって感じられる。だから、頑張ることの美しさみたいなものが伝わって、ストーリーがなくても、涙腺に刺激を与えられると思います。

だから、「BLUE」に来たことのない人や迷ってる人には、「だまされたと思って1回観て!」ってすごく言いたいです。1回観ておもしろくなかったらもう来なくていい・・・それくらいの気持ちですね。

平たく言ってしまうと、戦後60年間、男子新体操というのはプロモーションを先延ばしにしてきて、とにかくクオリティだけを考えてきた文化なんです。そして、今やっと、俺みたいなバカが現れて(笑)、新体操をいろんな世界に紹介しはじめた段階にあると思います。

いまだに新体操をやってると言うと、「レオタード着てリボン回をしてるんですか?」って聞かれますから。だから、とにかく観てほしいですね。

そして、さっぱりしてほしいな。

AKIKO

さっぱり!たしかにする!いいですね。

荒川

いいでしょ。「さっぱりしにおいで!」って。あ、来年のキャッチフレーズが決まりましたね!“さっぱりしにおいでよ”(笑)。

AKIKO

うん、それいい!(笑)。

TDM

では、最後にお客様にメッセージをお願いします。

荒川

各チームの色が違うし、去年と今年も違います。きっと、新体操の舞台とはどういうものなのか、想像つかない人もいると思いますが、ただ、演技を見せるだけではなくて、永井直也、BLUE TOKYO、ゲストの皆さんがどう全体をつなげていくかが見所だと思います。お見逃しなく!

AKIKO

スタッフ側としては、いろんなことに誠意で応えようと動いています。演者もお客様も当日笑顔で迎えられるようになってたらいいなと思います。ぜひ、ご期待ください。

interview by imu
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