TDM - トウキョウダンスマガジン

“Welcome to the world of en”
〜縁であり円をなし今を演ずる真冬の宴〜
軽快な滑り出しで華やかに始まったオープニング。音と人間楽器みたいな遊びが存分に組み込まれていて演出も構成の面でも楽しませてもらいました。“Welcome to the world of en”「縁であり円をなし今を演ずる真冬の宴」毎回恒例で行われている伝統公演ではあるが今回の出演者がここに集ったのも何かの縁であり、同じモノは二度と出来ない。(縁)そんな人々が個人を尊重し手を取り合って創り出す円。一つ一つが円であり、重なり合って素晴らしい円を成す。(円)一人が演ずる事によって魂の入った作品を演ずる事が出来る。(演)出演者も来場した方も全てが参加する空間が宴。(宴)そんな自分勝手なコンセプトを想像をしながら今回のWISHの公演の映像を感じ、見つめ直していました。


ダンスの各ジャンルの紹介を織り交ぜて進行する1部。 全くダンスを知らない人が紹介される事によって、なんとなくだけど「こういうダンスは“ハウス”って言うんだぁ」等と記憶に残る事がどんなに大切か。その後見せられるダンスの作品が何のジャンルになるのか?なんて分かった人がどれだけ居るのか?なんて考えたらごくわずかだとは思うけど・・・。全てのダンスが同じテンションで“GROOVE”なんてそこまで出ていた訳では無いが、凄くエネルギッシュでダンス(身体で表現するエネルギー)というものを思う存分堪能した1部でした。
いろんな空間の入り口=扉を映像に使い、そこから想像できる演出でまとめた2部。 空間を自由に作れるからこそ一番フリーに使える演出が出来る。音楽によるイメージと衣装のクオリティーの高さに自分的には一番印象に残った感想でした。配色のバランスやちょっと斬新なところがうまくバランス取れてて楽しめました。
ダンスに対する自分達の感情をストーリーにして各要所でダンスを織り交ぜた3部。
簡単にまとめると、幼少時代にダンスに魅了された主人公の少年がダンス三昧な道を歩んで行くのだが、ダンスを自由に出来なくなる環境に陥ってしまう。いろんな逆境を乗り越えてダンスが出来る時代を付くっていくというストーリー。(附属:キーアイテムはバンダナ。)大道具と照明による演出効果が一番表れていた構成。
個人のレベルは様々でも見ている人からは全てが出演者という状況でいい見せ方をしていました。いろんな公演を自分なりに見ていますが、学生だと思ってなめて見に行っていただけあって凄く衝撃的で素晴らしい公演でした。見ている方がこんなにもいい気分になったのだから、参加したメンバー達はもっと素晴らしい経験になっているんでしょうね。この公演に参加した事によって感じた感情を大切にして、本当にダンスが文化として、いい意味でのエンターテイメントとして生かされる時代を創り上げていく一つの円を担ってこれからの歩むルートを踏んでいって欲しいし、自分も協力していきたいと本心で思った。『何が出来るのか?』なんて、みんなも分からない。私にだって分からない。直ぐには見つからないのかもしれない。でもいろんなアイテムが出てくれば何かしらを発想する自信はある。なんでも繋げて円に出来るような予感がする。今回、ダンスおたくの自分にエネルギーをくれた皆さんに本当に感謝致します。ありがとう。
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