TDM - トウキョウダンスマガジン

TDM Special Interview
「CAPOEIRA JAPON 10th Anniversary 」
(JUN/RYO/SHU/夏目/NON)
日本のカポエラシーンって世界的には…?
 

R:小さいですし、遅れていると思います。 ドイツ、フランス、アメリカも日本よりは早いですね。カポエラを頑張るならブラジルですね。ブラジル以外ないです。本場はサルバドールですけど、まぁどこでも、ブラジル独特の感性があるし。 サルバドールっていう街に関して言えば、黒人の伝統的な芸能がたくさんある街なんで、カポエラもそのひとつなんですよ。流転の演舞なんです。地域の人たちが“オレたちが継承していかないと”って思っている。バイヤ州にあって、彼らはバイヤードって言うんだけど、そのバイヤードの中からカポエラを担って、次の世代へっていう風潮はありますね。

カポエラをどんな形で伝えようと思いますか。
 

J:どういう形でもいいんですよ。カポエラっていうのを、日本ではショーを作るから、その為にやるわけでしょ。でも、カポエラってそれだけのものじゃないでしょ。本質はちゃんとした形があるものなんだけど、オレらはカポエラを広める為に、本来のカポエラを崩して、そういう場所に合うようにしてる。例えばカポエラのユニゾンをやるなんていうのはバイヤードではないわけだし。だけどオレらがそういうのをやってショーアップさせてる。オレの中では、カポエラもダンスの中のひとつとして在って、見てるお客さんがあーいうのやってみたいって一人でも広がってくれると、やる意味があるかなっていう風に思う。皆が集まってやれる環境がいい機会だからっていうのもあるんだよね。

N:アタシ的にはお祭り的なノリなんだよね。 楽しもうっていう。

J:そうだよ、何年かぶりに会って、一緒になんか全然やってないんだから、ね。 そういう何年後かに集まってやるっていうのって、初めてやってきた奴らの、責任とまではいわないけれど、それって歴史だから。大事にしたいところかな。もちろん本格的にやってく人は、アレはカポエラじゃないよって、言うのかもしれないけど、オレはいいんですよ、別に。ただ、うちらは、“うん、やろう”、“いいよ”、って集まれるから。

10年前の自分に今アドバイスしてあげられることはありますか?
 

J:いっぱいあるけど…言いたくない(笑)。ほっといてくれ(笑)。

:自分の弱点じゃんね。

これからのカポエイラダンサーにアドバイスは?
 

J:んー…それはカポエラだけじゃなくても、何かひとつのことを夢中になって一生懸命にやれば、結果は出てくるんじゃないかなって思う。何でもそうだよね。だから、カポエラをこうやらなかったからうまくなんないとか、ブラジル行かなきゃダメとか、そういうのはない。ただ、夢中になれることを一生懸命にやれるっていうのがいいんじゃないかな。

(ダンスを)オレたちは何にもないところからスタートしたわけで、今の子たちは選べて、日本で習うところもある。環境が整ってるんだから、好きなことを思いっきりやればいいと思うのね。オレたちはそういう環境をもっと作っていかなきゃいけないから。『カポエラを盛り上げたい』っていう気持ちは個々にあって、人口が増えれば、もっと楽しくなるだろうし。だから、今の子はどこでもいいから練習してどんどん上手になって、あのステージに立ちたいとか、カポエラでショーやりたい人がいてもいいし、“オレはメストレ※になるんだ!”でもいいし。わからないけどね。若い子にはいろいろな可能性があるから。だから、オレたちがその可能性を広げてあげる意味でも、どっちかっていうと裏方だね。まぁ、表にも出るけども、これから先もそういうことをやってくと、そういう人たちの為になるのかなぁって思うけどね。

※メストレ(mestre):直訳すると先生、師匠の意。アンゴラ創設者メストレ・パスチーニャ(Mestre Pastinha)や、ヘジォナル創設者メストレ・ビンバ(Mestre Bimba)などカポエラ界には多くのメストレが存在する。

:派手な10年でもなかったし…ダンスって地道じゃない。それが結果的に、みんなが上手くなることに繋がるものだから。もちろんカポエラが好きでいた方がいいと思うし。そういう何かを自分たちで見つけながら、仲間も増やしてって、コミュニティみたいなのを作っていけば、それがまた10年経つかもしれないし。

S:下のやつらとかとも、一緒にやっていきたいね。「オレはこういうスタイルなんだけど、どう?」って。張り合いたいしね。そしたらその下のやつらとかもまた出てきて、そういう仲間ができたりとかして…そういう同盟っていうか下のやつらともやっていきたいって思うね。

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