TDM Special Interview
〜映画『RIZE-ライズ-』出演・クランパーLil C(リルシー)〜 |
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いよいよ公開が近づいて来た映画「RIZE」。前回のラシャペル監督のインタビューに続いて、今回は出演していたダンサー・Lil C(リルシー)のインタビューの模様をお届けしよう。
取材当日は、サウスセントラルにいる彼への電話インタビューとなったのだが、TDMの取材に対し、一つ一つの質問にしっかりとした口調で、自分の意見を述べてくれたLil C。実際に“クランプ”を踊る彼の精神状態、人生観、ルーツとは一体どういったものなのだろうか。日本人の我々にとって、まだ誰も知らない、未開拓のダンス、“クランプ”が、だんだんと明らかになってきた…。
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■この映画は自分にとってどのような経験になりましたか?
Lil C(以下L)
映画に出演したと言っても、脚本がある映画に出たわけではなく、ドキュメンタリーを撮られたわけで、自分の本当に日常に過ぎないんだ。みんな『映画に出演してから変わったことはありますか?』って一番よく質問してくるし、『映画に出ると急に人生が変わるんじゃないか?』って思ってるみたいなんだけど、全くそんなことはないし、今までと同じ地域の、同じ家に住んで、今も同じバイオレンスに囲まれて生活しているんだ。 |
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■『ダンスは頭で考えたり、誰かに習ったりするものではなく、もっと本能的な感覚に基づいたDNAの中に組み込まれているもの。』と資料に書いてありますが、振付師としても活躍していますよね。そこの区別はありますか?
L
実際、僕はプロフェッショナルのダンサーなんだ。ダンスがよりクリエイティブであるためには、振付は必要で、振付とKRUMP(クランプ)は全く別のものだよ。ただ、フリースタイルでやるにも基礎は大切だから、振付をしながら基礎の動きも練習して、そこから学ぶことは多いね。中には、何から始めていいのか分からないダンサーもいるわけで、そういう人たちのためにも振付をしているよ。フリースタイルで踊るKRUMPにも、より磨きをかけるために、いろんなジャンルのダンスを知ることが必要だね。僕はブレイキンからヒップホップ、ジャズ、アフリカンと、いろんなジャンルのダンスが好きだし。 |
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■影響を受けたダンサーはいますか?
L
特定のダンサーからの影響よりも、“人”として影響を受けたんだ。その一番の影響を与えたのは、母親だね。僕が育った身近な環境にダンサーがいたわけじゃなかったし、ダンスを学べる環境もなかった。“踊り”を学んだ影響よりも、“人”として形成されていく中での影響によって、自分のダンスを産み出していったんだ。 |
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Update:06/01/12 |
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