TDM - トウキョウダンスマガジン

BE-BOP “UK JAZZ DANCE STYLE“  〜The True Underground〜

BE-BOPダンサー
イギリス国内でJazzイベントが増えていく中、ダンサー達はクラブでのダンスのバトルを通じてお互いに学び、そして磨きあった。BE-BOPのダンススタイルは、Funk、Soul、Reggae、Mambo、Swing、Bllet、Contemporary など、多くのダンススタイルが源となっている。それらのスタイルをミックスして、生まれたのがBE-BOPであり、BE-BOPのスタイルは地域ごとに異なり、さまざまな特徴を持っていた。イギリス各地より、ダンサー達が押し寄せたロンドンではFUSIONスタイルが発展、一方、北部ではNORTHERN JAZZスタイルが登場する。ロンドン南部ではFUSIONスタイルに、TAPステップや巧妙なフロアムーブの要素をより多く取り入れたものだった。80年代のイギリスでは多くのBE-BOPチームが登場し、マンチェスター出身の“ジャズディフェクターズ”、ロンドン出身の“I.D.J”、リーズ出身の”Brothers in Jazz”、ブリストル出身の“フロアテクニシャンズ”、バーミンガム出身の“JAZZ 5”、などが有名なチームとして挙げられ、BE-BOPシーンの歴史にその偉大な痕跡を残している。

I.D.J
84年にロンドンで“I.D.J“(I DANCE JAZZ)を結成。“I.D.J“のリーダーでありBE-BOPシーンの先導者であるJerryは、ロンドンのBE-BOPダンサー達のシンボル的存在であった。”I.D.J”は”Working Week”とのセッションを皮切りに活動を開始、イギリスの音楽誌「FACE」等にイギリスの新たなムーブメントとしてメディアで取り上げられる。映画「アブソリュート・ビギナーズ」に出演。88年に開催されたネルソンマンデラコンサートにてアートブレーキ&ジャズメッセンジャーとの共演を果たす。チャンネル4のTVショウ「7 SPORTS」での”Back Street Kids”VS”Brothers in Jazz”とのアグレッシヴなダンスバトルは、イギリスの国民に興奮と衝撃を与え、後にこのダンスバトルを題材にした「マンチェスター伝説のフットパロット」というドキュメンタリーが放映され話題となった。2002年に10年振りの来日を果たし、BEBOP SQUAREで開催されたワークショップでは60人を超す参加者が集まった。
Brothers in Jazz
イギリス北部のクラブ“Berlin”で流行した、NORTHERN JAZZのダンススタイルは、その一例を北部出身の”Brothers in Jazz”で見ることができる。NORTHERN JAZZスタイルの特徴は流れるような手の動きをベースに、ターン、トリック、フロアワークを駆使し、凄まじい速さで対面した相手にプレッシャーを与える攻撃的なイギリス北部で生まれたダンススタイルである。Brothers in JazzのリーダーであるIrvenは、その壮絶なダンスバトルを制し10代のうちにNORTHERN JAZZの“KING”として君臨。それに加え、Jazzに合わせてMAMBOを踊ったことからヒントを得てWayneと共に独自のBE-BOPスタイルを追求。さらにバレエ学校「Urdang Academy」で学び、その後Irven Lewis、Wayne James、Trevor Millerの3人で”Brothers in Jazz”を結成、最速のステップを次々と生み出し、オリジナルのBE-BOPスタイルを確立させた。91年に日本初のBE-BOP のショウケースを行う。パルコのCMに出演する。日本にBE-BOPスタイルのダンスが知られるきっかけとなった。そして97年に再来日、2002年に5年振りの来日を果たす。またIrvenは日本のBE-BOPシーンとの関わりがもっとも深く、パイオニア的存在であり、彼が日本のシーンに与えた影響は計り知れない。
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