内容
これを見ずしてヒップホップを理解したとは言えない!!
ヒップホップ・クラシックの決定版が日本語字幕入りDVDで遂に登場!
「ヒップホップを理解したいと思っている人間は、
Style Warsを見なければならない」 -- KRS-One
「ワイルド・スタイル」と並ぶヒップホップの古典的作品と言われる「Style Wars」は、1970〜80年初頭のニューヨークで社会現象・問題になっていたスプレー・アート”グラフィティ”をテーマに取り上げたドキュメンタリーである。
自己表現のためのアートとして、地下鉄にペイントするライター(グラフィティ・アーティスト)達と、それを落書きとみなし、破壊活動であるとするニューヨーク市。「Style Wars」は、そのライター達とコッチNY市長を含む市当局の生の声を取り上げ、まさに「戦争」とも言うべきこの社会現象を様々な角度から描いている。また、ロック・ステディ・クルーを中心にブレイクダンス・シーンも網羅。音楽には、グランドマスター・フラッシュ&フュリアス5、トレチャス・スリー、ラメルジーなどヒップホップ・クラシックスをフィーチャー。
オリジナル本編は、1984年アメリカのケーブルチャンネルPBS及び英チャンネル4にて短縮版が放映され話題を呼び、同年にはサンダンス・フィルム・フェスティバルにてドキュメンタリー部門の最優秀賞を受賞。長年海賊版が出回っていたが、ついに2003年に3時間を超える特典映像を加え、2枚組のDVDとして北米で正式リリース。オニオン誌でベストDVD・オブ・ザ・イヤーを受賞するなど、高い評価を得ている。
日本版には特別に「Style Wars: Re-visited」を収録予定。これはオリジナル本編、DVDの特典映像のアウトテイク素材を再編集したショート・ムービーで、NYのトライベッカ・フィルム・フェスティバル、エジンバラ・インターナショナル・フィルム・フェスティバルなどで上映、絶賛された。
Comment from HORIE(from Sound Cream Steppers)
10年位前に一回ビデオでリバイバル発売された時、はじめて観た。その時もブッたまげたけど、今回のDVDも凄かった。本編はHIP HOP初期の人物達が好き勝手にやっている様が記録されていて、観ていて興奮する。特にディスク2のアーティスト、ギャラリー、インタビューには初めて聞くことや観るものがあった。僕はダンサーなのでダンスシーンを中心に観がちだが、このDVDで新しく発見したことがいくつかあった。その新発見とDVDの見所を書きます。
1)《ニューヨークスタイル》
ブレイキングでバックスピンに入るときの形で、今まで我々日本のダンサーは「ニューヨークスタイル」と呼んでいたが、実はクレイジーレッグスのスタイルだったことが判明した。10年位前にこの映画を観た時には字幕が変で訳がわからなかった。例えば“タートル”を“かめ”とか訳していた。ふざけんなよ、10年前に訳したヤツ!!“アップロック”は“つまらない立ち踊りだ”、とか訳しやがって。今回の訳した人にリスペクト!!これで色々わかりました。
2)《クレイジーレッグスとレニーレンが従兄弟!?》
これには驚いた。伝説としてしか伝わっていないが、レッグスたちの先輩の世代のB-BOYがあって、ハーレムやブロンクスで活躍していたらしいが、この映画をもってしてもその部分は謎のままである。
この映画の舞台は1980年前半のニューヨーク。ブレイキングは一度はやり、そして廃れて、もうあまり見かけなくなった後の時代だったのだ!!
僕としてはレッグスの先輩達の世代のブレイキングが気になってしかたがない。どうも黒人中心のクルーだった様だが、なにせそうなると映像記録がほとんどない。でも、この映画にもちょこっとその世代の人達が出ている。
フロスティーフリーズやレニーレン、などのダンサーたちの動きは、レッグスやケンたちの一世代前の動きで、ダンスの流れでもいえばより原形に近いノリになっている。それを少しでも見れるので良い。
3)《ドズ(Dez)のインタビュー》
特典映像インタビューで、ドズは「B-BOYはテクニックよりもスタイルだ」とはっきり言っている。1983年にドズたちが来日し、NHKや笑っていいともに出演した際に、僕はTVで見ていたが、そのアップロックの凄さに圧倒されたものだった。しかしドズは、ただアップロックをしていたのではなくて、こまかい所にまで、相当こだわりを持ってやっていたということが、このDVDで分かり、20年以上アップロックを研究している僕にとっては、やっぱりアップロックはドズとケンだなぁとあらためて思った。
あと、インタビューの中でドズがしゃべりながら手ぶり身振りで踊っているのだが、それがまた、すごいノリをしているので、ダンスファンはぜひ観てほしい。
4)《とにかく少年、少女》
当時、HIP HOPは大人はまゆをひそめ、HIP HOPをろくでもないものときめつけていた。まず、大人は手を出さなかったし、似合わなかった。HIP HOPは子供達(主にティーンエイジャー)の発明した表現方法で、1983年、16歳だった僕が飛びついたのは当たり前のことだった。ちなみに2006年現在、HIP HOPは大人もやりますね。
5)《ケンの名前》
僕が今まで知っていたのは、“ケンロック”と“プリンス・ケン・スウィフト”だけだったが、このDVDで“キッドズーム・ケンスキー”と名乗っていたことがわかった。当時のダンサーは名前の下に“〜スキー”をつけていた人が多かったがはやっていたのか?
(例 ※ノームスキー)
※映画「フラッシュダンス」の冒頭でキャップをかぶって踊っている少年の名前。ロックステディークルーの初期メンバーでもあった。
6)《ファッション》
当時のゲットーの人々のファッションセンスはカッコ良い!まねをしたくなるカッコーがこの映画に山ほどつまっている。
色々あげれば良い所はいっぱいあってきりがないが、このスタイルウォーズは値打ちものですよ。Sound Cream Steppers、HORIEのイチオシ、まちがいなし。
☆初期のHIP HOP MOVIEのオススメの見方の順番を書いときます。
「スタイルウォーズ」「※ワイルド・スタイル」「※ワイルド・スタイルビートストリート」と観ると良いでしょう。
※ワイルド・スタイル/ワイルド・スタイル…ともにスタイルウォーズと並んでヒップホップ、そしてストリートダンスのルーツを知ることができる映画。
■関連トピックス
[TDM Interview] Sound Cream Steppers (00/08/14 updated)
[TDM Interview] HORIE 〜ホリエハルキ的自由論〜 (08/04/04 updated)
Comment from GEORGE(from PRIME TIME)
HIP HOPカルチャーの社会現象をリアルに映像で知る事が出来たのは凄く良かった。
HIP HOPを好きな人には見ることによって
HIP HOPをより深く感じ取れると思うから、
そういう精神を持って音楽に向き合っていると
それがダンスにも影響してくるんじゃないかな。
現在でもシーンを代表するDJのKAYS RAYの生い立ちの一部を知ることが出来たのも、自分にとってはいろいろ現実のシーンとリンクしたから、嬉しかった。
TDM STAFF REVIEW
1980年代初頭の、ヒップホップの本来の姿を映し出した、奇跡の1枚。ヒップホップを構成する4つの要素、「DJ」「MC」「グラフィティ」「ブレイキン」が共存していた様が、このDVDに濃縮されている。
主にグラフィティライター(通称ボマー)の生活を中心に追っているが、ロックステディークルー(RSC)の若かりし姿や、スクラッチの創始者フラッシュ、そして彼の率いる絶大な人気を誇っていたMCクルー・フュリアス5、そしてファンキーすぎるMC集団・トレチャス・スリーなどなど、オールドスクール全盛のレジェンドたちがわんさか見れる。
また、作品として数々の受賞暦を見ても分かるとおり、作品に込められたメッセージ性も強く、ライターのSkeme(スキーム)少年を心配する母親、当時のNYC地下鉄を取りしきっていたMTA当局、NY市長、地下鉄利用者客の声など、それぞれの視点から大人たちの声も盛り込み、当時のヒップホッパーが社会の中でどういう位置付けだったのかもうかがい知れる。現代HIP HOPを心置きなく楽しむことができる我々にとっては、考えさせられるものになっている。
そして、見終わった後、タギング(TAG。自分のストリートネームをマーカーなどで書くこと。)を練習し始めたのは、私だけじゃないハズ(笑)
とにかく、もう、真のヒップホップを知りたい人には、見ておいて欲しいとしかいえない作品だ。