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Zaim 〜 A favor of dance. 僕らがダンスをする理由 〜
Zaim 〜 A favor of dance. 僕らがダンスをする理由 〜
「ダンスを始める」って、思ったより一般の方にとって敷居が高く感じるらしい。運動不足の解消を目的としている人は多いが、昔から興味はあったけどちょっと恥ずかしい、なかなかやるキッカケがないなど、はじめの一歩が踏み出せない人は多いようだ。

ところで、新橋というスタジオの場所柄、自分の生徒は社会の一線で仕事をするサラリーマン・OLが多い。彼らから、ダンスを通じた仲間との出会いによって、日々が楽しくなったという意見をよく耳にする。彼らと同じように、ダンスを始めるのにもう一押しという環境の人が居るなら後押ししたいと思い、今回のインタビューを企画。財務関係の仕事に従事するSEIKI、TAKAO、HIDEの3名に協力してもらった。(彼らは今後チームZaimとして活動する・・・予定!?)自分を表現するところが増え、遊び心満載で自分の着てみたい洋服も着るようになったという彼ら。普段の姿と、そのギャップを楽しんでみてほしい。

財務を司る彼らが…ダンスに、出会った。

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では、まず皆さんが本業としている職種内容を教えてください。

SEIKI

Zaim 〜 A favor of dance. 僕らがダンスをする理由 〜国税庁職員で法人税の調査等を行っています。仕事内容は会社が提出した申告書の受理や、会社にお伺いして帳簿等に間違いがないか確認させて頂いたりしています。

相手の会社からは、来られたくないお客さんだと思われているみたいです。目の敵のように嫌われることもあるので、この仕事は正義感を持たないとやりがいを感じられないですね。60代前後の社長と話す機会も多いのですが、互いに緊張というか、不思議な空気が流れます。相手の方がもっと緊張してると思いますけどね。

HIDE

Zaim 〜 A favor of dance. 僕らがダンスをする理由 〜僕は税理士で、業務内容は各種税金の申告・申請、税務書類の作成、税務相談等をやっています。

僕が税理士をやろうと思ったキッカケは、高校3年生の春休みに「こうすると税金が返ってくる」という確定申告の特集をしたテレビ番組を見ていて、そこに税理士という肩書きの人が出ていて、 その時に税理士という職業を知り、人に税金の説明ができると喜ばれるし、人のためになる仕事だし、自分の生活にも役立つ点に面白みを感じて目指しました。

実際、資格取得までにはいくつかの試験に合格することと、会計事務所などでの実務経験が2年以上必要なんですが、最初に2科目受かった段階で、会計事務所に入って、あとは働きながら取りました。早い人は2〜3年で取るみたいですが、自分は長かったですね。

TAKAO

Zaim 〜 A favor of dance. 僕らがダンスをする理由 〜僕は会計監査をしています。会社の財務諸表が正しく計上されているかをチェックします。さらに、リスクの認識とそれに対するコントロールができているかを確認します。

会社にとってはリスクがなくなる場合もあるので、アドバイザーとしての立場にもなるし、不正があることがわかれば、財務諸表に記載する監査の部分の二面性を持っています。

この職種に就こうと思ったのは、自分でいろいろやりたい気持ちから、まずは会計について知っておかなくちゃいけないと思って、興味を持ったのが始まりです。

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この三者の関係は?

HIDE

僕は会社が適正な財務諸表を作るのを手伝って、

TAKAO

うちらが見て、チェックして、

SEIKI

それを受け取ります。

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すごい生徒たち (笑) 。

心と身体の変化・・・ダンスの恩恵をかなり受けています。 


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仕事の展望や将来はどういうイメージをしてるの?

TAKAO

それは今模索中ですね。ビジネスじゃない将来像は、毎日朝から昼までサーフィンして、ちょっと仕事して、夜はクラブ行って、ハウス踊って・・・ってのが理想ですね (笑) 。

音と、運動と、ビジネスを絡めた何かやってみたいです。テンションが上がるような面白いことでビジネスをやりたいですね。プラス、世界に何らか発信していきたいです。

HIDE

世界かぁ。グローバルですね。自分もいろいろ考えてます。やっぱりダンスを始めてから、これが一時的なものになるのは嫌で、ずっとやっていきたいとは思っています。

僕も仕事としての目標は模索中ですが、税理士として目標とする先生がいるので、その先生に近い存在になりたいですね。この人だから頼みたいと思ってもらえるような、人間的な魅力を持っている税理士になりたいです。

出世とか偉くなりたいとか、そういう事にはあまり興味がないし、そこにあまり価値は感じないので。ダンスをやったり、筋トレをしたり、読書をしたり、そうやってプライベートが充実すると、仕事に対するモチベーションが上がって、どんな仕事にも前向きに取り組むことができて、いい仕事をすればいいフィーももらえるだろうし、だからさらにプライベートもよくなる。その良い循環を作っていきたいなと思ってます。

TAKAO

そう。自分も仕事の後にダンスが入ることで、一日のリズムがすごくよくなりました。ダンスをやる前とでは、かなり流れが変わりました。楽しいし、仕事中も、「もうちょっとでダンスだから、仕事頑張ろう。」って思えます。ダンスを取り入れたことによって、日々が濃くなりました。

HIDE

Zaim 〜 A favor of dance. 僕らがダンスをする理由 〜自分もそれまではいろいろと考えこんでしまうタイプだったんですが、ダンスが生活に入ってから、こうやって仲間ができて、ここ最近、性格が少しゆるくなったというか、小さなことで悩まなくなりましたね。「自分は自分のままでいいんだ」って思えるようになったんですね。もともと自分はストレスが溜まるとすぐに蕁麻疹が出てしまう事が多かったのですが、それがダンスをやる様になって、今の仲間と一緒の時間を過ごすようになって治ったんですよ。今は汗もいっぱいかける様になったんで体質的にもだいぶ良くなりましたね。

仕事やプライベートで悩むことがあっても、ダンスをして、仲間とお酒を飲みながら会話をしてると、救われるというか・・・。それくらい自分にとって大きな変化があって、ダンスの恩恵をかなり受けています。

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身体も変わったんだね。レッスン以外の時間でも、身体に気を使うようになったんじゃない?

HIDE

それは、間違いないですね。以前は、「仕事をして家に帰る」っていう刺激のない生活が大半を占めていましたが、今はダンスが生活に入ったことで、筋トレや音楽を聴く時間、さらには読書をする時間まで得ることが出来るようになりました。1日の時間の使い方を考え、効率的な時間の過ごし方を考えるようになりました。今まで、どれだけ無駄な時間を過ごしていたんだろうなって思いますよ。

今は身体にいいことができています。早起きして、仕事を速めに終わらせて、レッスンに行って、土間土間に行って、飲んで、話して・・・。

TAKAO

うん、そういうこと。毎日が楽しくなりましたね。

歌手よりもダンサーを見るようになりました。 


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そもそも、ダンスを始めたきっかけは?

SEIKI

きっかけは、友人の紹介です。ちょうど身体を鍛えたいと思っていたので。

TAKAO

ハウスが好きで、音楽を聴いてて、クラブで踊ってる人も見てたし、これだけ自分も音楽が好きなんだから、さらにそのメロディと踊れたらどんなに楽しいんだろう!と思って、去年の8月から始めました。

HIDE

Zaim 〜 A favor of dance. 僕らがダンスをする理由 〜僕は、小学生の頃に流行ったダンス甲子園とかCLUB DADAなどのテレビ番組でダンスを知りました。高校時代には体育祭でダンスしたり、ヒップホップやR&B、ハウスといった音楽を知りどんどんはまっていきましたね。

税理士を目指してからは、少し音楽から遠ざかってしまい、税理士試験が終了後は身体を鍛えたいという想いがあったので、キックボクシングかダンスをやろうと決めてたんです。近くのジムやダンススクールで調べていたら、ちょうどジール川口校のオープン時期で、最初なら初心者も多いだろうし、少し年齢が高いけど大丈夫かなと思って説明会に行きました。スタジオは音がガンガンかかってて、もともとクラブ好きだったから、毎週こんなところに来れたら楽しいだろうなと思って、即入会しました。

最初にやるならヒップホップかハウスだと思い、ヒップホップをやったんですが、音楽を聞くのと踊るのとでは違っていました。当時はハウスの初心者向けクラスが川口校になく、職場から近い新橋にあるのを知り、新橋に通い始めてからはヒップホップは辞めて、ハウスだけに。ちょうどもうすぐ1年になりますね。

TAKAO

Zaim 〜 A favor of dance. 僕らがダンスをする理由 〜僕ももうすぐ1年経ちますが、最初はハウスミュージックを好きな感覚で受けていましたが、今はもうダンスの魅力にハマってます。音よりも、こうやって動けたら楽しいだろうなってことを考えるようになった変化はあります。

たとえば、クラブに音楽を目的に行ってましたが、今は音に対して、どういうステップにしようかなと考えたりするようになりました。だから、逆にステップに夢中になっちゃって、たまに音を聞いてないときがあります (笑) 。

あとは、テレビで歌手よりもダンサーを見るようになりましたね。フレームアウトとかしてるので、「もっとダンサー見せて!」って思います (笑) 。

TDM

一番最初の頃、ダンスってやってみて難しかった?

全員

難しいです。

HIDE

何もできなかったのを覚えています。

SEIKI

とにかく、早い!流れがつかめませんでした。

TDM

質問したくても、恥ずかしかったりした?

SEIKI

始めの頃はあったかなぁ。

HIDE&TAKAO

それはなかった!

HIDE

前列の方に行って、鏡に映る自分が恥ずかしくていつも後に行く人がいるけど、僕はそれはなったなぁ。

TDM

あ〜だから、後ろに人が多いんだ。知らなかった〜。

SEIKI

日本人の習性としてかわかりませんけど、大学の講義とかでも大体後から埋まっていきますし、結構、控えめなんですよね。

HIDE

その辺、僕は全然周りを気にしなかったですね。できないのはわかってるから、前のほうに行って、先生の言ってることを聞いたり近くで見ないと、わからないし、レッスンに行ってる意味がないなと。

TDM

やる前にダンスをイメージしてたものとの違いはあった?

SEIKI

人に関してですが、クラスにどんな人がいるのか、自分が想像してた人とは違っていましたね。ダンススクールってもっとダンサーを目指してる若い子が多いと思ってました。いい意味での違いですけどね。

HIDE

確かに。特に新橋はね。年齢高い人も多いしね。場所柄だと思うけど、新宿とかに行くとまた変わるんじゃないかな。ダンスに関してはハウスダンスがどういうものかはわかっていませんでしたね。

TDM

ダンスをやってることへの周りの反応は?

SEIKI

まず、「ダンスしてる」って言うと笑われます。たぶんイメージにないからだと思うんですけど、大体「社交?」って言われます。

HIDE

自分の周りの人たちも、ダンスって言うと、10〜20代前半の子たちがやるっていうイメージがあるみたいで、自分の年齢でダンス=社交ダンスになるんだと思います。

「ハウスだよ」って言っても、ハウスがわからない。TRFのSAMさんのような感じだよっていうと、なんとなくわかってもらえる感じです。

周りの女性では、ジャズダンスやベリーダンスをしてる人がいますが、男性はいないですね。やっぱり、この年齢だと、仕事をメインして生活してる人が多いと思います。

TDM

ダンスを自分の生活に入れる隙間がないと思ってるのかな。実際、仕事に支障はない?

TAKAO

そこまでないですね。

HIDE

Zaim 〜 A favor of dance. 僕らがダンスをする理由 〜ダンスが生活に入ってきてもそこまで仕事に影響はなかったと思います。どうすればダンスの時間を作れるか・・・と、時間を効率的に使う方法を考えるようになりました。

レッスンが水・木なので、水・木はなるべく残業をしないようにして、それ以外の曜日は他の人が飲みに行ってても、僕は仕事をして調整しています。やっぱり、ダンスはそれくらい大事なものなんです。

ダンスに触れるきっかけの重要性。一歩踏み出す勇気。


HIDE

僕はダンスを始めてからすごく楽しい日々を過ごしてるし、いい経験をさせてもらってるから、他の人にもぜひ体験してほしいなと思います。

TAKAO

そうそう。こんなに楽しいんだよ!って、もっと皆にそれを伝えたいです。知らないだけなんですよね。

HIDE

もっと気軽にできるものなんだよって伝えたいです。僕もダンスは若い人がやるってイメージだったから、29歳で始めたとき、年齢が気にはなりましたが、どうしてもダンスがやりたかったので、一歩踏み出しました。すると、こうして仲間ができた。でも、その一歩がなかなか踏み出せない人もいるから、もっと軽い気持ちで入れる世界なんだよと伝えたいですね。

TDM

うん、もっと生活の中にダンスが入るといいよね。では、前の皆と同じように、今“ダンス”を検索してはいるけれども、まだ始められていない人に何かメッセージがあれば・・・

HIDE

とりあえず・・・こっちにおいで。楽しいよ。

全員

(笑) 。

TAKAO

最初から、プロのダンスしか見る機会が無いので、「無理!」って構えちゃうと思うんですけど、実際は、レッスンだと初心者でもできるって思えるので、その実感をしてもらえるといいと思います。そんなにハードルは高くないです。

HIDE

そうそう。レッスンでは始めたばかりの人もいるから、「あ、だったら自分にもなんかできそう」って思えます。この感覚は大事だと思います。

TDM

最後に、皆が生きていく上で大切にしていることは?

SEIKI

Zaim 〜 A favor of dance. 僕らがダンスをする理由 〜人生、楽しく。自分の根本は、それだけですね。つまらない時間をできるだけ減らしたい。どの時期でも、どんなに落ち込んでいても、気持ちを自分で上げられるようにしていたいです。

TAKAO

僕も、どれだけ自分のテンションを上げていられるか、ですね。楽しい時間をどんどん探していきたいです。楽しさがあるから、それが強みになるというか、落ち込んでいても、自分にはダンスという楽しい時間があることが、心の支えになっています。

TDM

うん、ダンスってそういうものであって欲しいなって思う。今日はありがとうございました。

interview & photo by AKIKO
'09/09/16 UPDATE


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