心に響くもの・・・生で観たときのアツさが欲しい。
TDM
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今日はよろしくお願いします。まず、WARNERさんから見て最近のダンスシーンはどう映っていますか? |
WARNER
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昔のBDC (ブロードウェイダンスセンター) やWINGなんかの世界で厳しかった時代の、“ダンスは深く!厳しく!”っていう気質とは、今は違ってきたよね。だから、逆に今ちゃんと教えようとするときに、大変だなって思う。
だんだんこっちも熱くなってきて、相手にドン!と正面からぶつかろうとすると、世代的にそういうのを知らない人は、急に逃げちゃったり構えちゃうことが多々ある。シーン全体的にも“楽しく!”っていう感じだから。・・・難しいね〜。
でも、コレって情報化社会だからだよね。特に、インターネットがあるっていうのは大きい。だって、俺なんて、10代のとき、地元・京都でダンススタジオ一個調べるのも、タウンページ見て、“ダンススタジオ”って書いてるところに行ったら全部バレエスタジオとかで。やっと1件見つかるって感じだった。 |
TDM
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そういう時代の中で、今の20代半ばくらいまでの子たちはダンスを現実的に捉えてるんでしょうかね。 |
WARNER
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今は、やりたいと思ったものの情報が、なんでもすぐにたくさん手に入る。俺の振付する現場にも19歳とかいるんだけど、確かに現実的かもしれない。例えば、「この先どうすんの?」って聴くと、「いや〜、まだわかんないですけど、そんなにダンスは長く続けようとは思ってないんです。」って感じだったりする。そういう感覚でバックダンサーをやってるんだから、クールだよね〜。
でも、今の子は上手い!上手だなって思う。俺が若いダンサーと接するのは、結構振付の現場なんだけど、器用だな〜って思うよ。やっぱ、みんなインターネットの動画サイトとかで、いろんな海外のダンサーとか流行ってるダンスを見てる。俺にも見せてくれるんだけど、今はiPodに入れて持ち歩いてるんだからびっくりするよね。
俺らは一つカッコいいものを見つけるのも必死だったし、たまたまカッコいいダンサー見つけてラッキー!みたいな感じだったもん。
でも、一個足りないものもあって、やっぱね、ぶっちゃけ、生で観たときのアツさがない。俺が思うに、たぶん、そうやって日頃ダンスを映像で観てるからだと思う。映像で観てるものを視覚でインプットして、それを真似るじゃん。だから、映像に撮って出来を見たときには、ばっちりOKなんだよ。でも、そこに“ライブ感”っていうのがない。生で直視したときに、やっぱり何か足りない。印象として残らない。だから、上手い人はいっぱいいるんだけど、映像として上手い人がすごく多い感じかな。
テクニックはあるんだけど、心にドン!って響くものとか、多少下手でも、迫力がすごい!とか、スター性みたいなものは、今の子には足りないなって思う。 |
ダンサーがタレント性を持つこと。
WARNER
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・・・ってかこの会話大丈夫?別に若い子ディスってるわけじゃないですよ (笑) 。 |
TDM
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大丈夫ですよ (笑) 。他の方も結構パンチのある意見を残してくださっていますので。では、WARNERさんはどういうカッコ良さに惹かれてダンスを始めたんですか? |
WARNER
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やっぱり、俺も海外のPVとかを見てて、すごいなって思ったのが大きかった。ダンスを始めたのも、たまたまフィットネスクラブで流れてたマイケルとかジャネット、マドンナ、C+Cミュージックファクトリー※、ポーラ・アブドゥル※とかは強烈だった。
※C+C MUSIC FACTORY (C+Cミュージックファクトリー) :
「エブリバディ・ダンス・ナウ!」で90年代に一世を風靡。日本では日本テレビ『元気が出るテレビ』のコーナー"ダンス甲子園"のテーマ曲としても認知され、ダンサーのアンセムとなっている。
※Paula Abdul (ポーラアブドゥル) :
1980年代、ジャネット・ジャクソンの振付師として活躍し、1988年に自身もアーティストとしてデビュー。“Straight Up”などナンバーワンヒットを放つ。最近では、アメリカのアイドル発掘番組「アメリカンアイドル」で審査員を務め、2008年には彼女のダンスにも注目の新曲を発表。
もともとはストリートもジャズもやっていて、そういうビデオを見て、「ジャズダンスってこんなにかっこいいんだ!」って思えた。しかも、男で、ジャズダンスを踊ってかっこいいと思えた感覚が大きかったね。今でも若い子たちに、「ジャズダンスやるなら絶対観た方がいい!」って、ポーラアブドゥルのビデオとか見せるもんね。 |
TDM
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若い子たちにはやっぱり“いいダンサーになって欲しい”と思う気持ちで、そういう映像をお見せしていると思うんですが、他にアドバイスしていることはありますか? |
WARNER
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踊りの面よりは、人として、社会人としてやっちゃいけないことを伝えることかな。例えば遅刻したりとか挨拶とか、当たり前なことを言うくらい。
あとは、彼らを盛り上げてナンボ (笑) 。楽しくできるように空間を作って上げるほうが多いよ。
でも、昔は違ったよ〜・・・ってまた昔話だけど (笑) 。昔は超厳しかったもん。とことんできるまでやらせる!でもね、今の子はホントに上手いの!だから、テクニック的には特に言うことないんだよね〜。
ただし、話を戻すと、それは“ダンサーとして”ではなくて“バックダンサーとして”の話ね。でも、俺の今の関わりはその辺が大きいから、その分野に関しては全然OK。十分なんだよね〜。 |
TDM
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じゃあ、バックダンスの分野では、水準は安定してるっていうこと? |
WARNER
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うん、そうかもね。昔に比べたらそこはすごく変わった。なんとなく、今のアメリカに近いのかも。
昔はジャネットの振付をしてたティナ・ランドン※とかシャーネット※とか、ニッキー※とか、ケリー※とか、こうやって名前が挙げられるスター的なダンサーがいたよね。ジャネットのダンサーっていうステータスもあったし、ある種、ダンサーにもすごくタレントクラスの個性があった。
※Tina Landon (ティナ・ランドン) :
先述のポーラの後、ジャネット・ジャクソンの振付を担当。ジャズダンサー必見DVDともなっている「The Velvet Rope Tour」(1998.04〜1999.01)での金髪ショートヘアの人。また、“Love Will Never Do”以降に見せたジャネットのセックスシンボルとしてのイメージ確立には、ティナの才能が大きく影響。そのほか数え上げられないほどの有名作品の振付を手がけている。
※Shawnette Heard (シャーネット・ハード) :
通称バッキー。“All For You”“Doesn't Really Matter”などを手がけたのはシャーネット。ティナと共に、前述の「The Velvet Rope Tour」で眼を釘付けにさせるダンスを披露しているショートヘアの黒人女性。
※Nicole Pantenburg (二コル・パンテンブルグ) , Andrea Kelly Konno (ケリー・コンノ) :
愛称ニッキー、ケリー。二人も「The Velvet Rope Tour」に参加。ケリーは日本とカナダのハーフで、“Rock Your Body”などジャスティン・ティンバーレイクの作品を始め、出演している。
でも、今のアメリカのシーンを見ても、バックダンサーはバックダンサーって感じで名前もそこまでわからない。逆に振付師とかは目立ってたりするけどね。例えば、今のジャネットのバックダンサーは誰か知らない人もいると思うし、いろんな人がついてて、いろんな人ができちゃうから、そういうステータスが無くなってるのかな。
日本もそういう感じだと思う。上手い人はゴロゴロいるんだけど、良くも悪くも、特別感が無くなったのかなって思う。 |
TDM
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じゃあ、これから飛躍するダンサーはその特別感が必要? |
WARNER
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そうだね。でも、ダンスもファッションと一緒で、絶対 (傾向が) 一回りして、また特別感が評価されてくると思うんだよね。今の傾向がみんなの当たり前になってきたら、次のステップに行くと思うから。そうなってきたら楽しいよ〜。今の物足りなさってたぶんそこだから。
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転機。スタイルの確立、Go!Go!RABBITSとの出会い。
TDM
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これまでにWARNERさんの転機ってありましたか? |
WARNER
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ん〜。二十歳ぐらいで初めてL.A.行ったときかな。アレは衝撃だった。それまで京都にいて、2人の先生からオールジャンルに習える環境にいたんだけど、“今週はジャズをやります”“今月はハウスをやります”っていう進め方で、今思えば「ジャンルにとらわれてるんだな〜」って少しフラストレーションがたまってた。それが、L.A.で全部解消されたんだよね。ダンスをジャンルとかじゃなくて、音楽を表現してるものとして受け止められた。「やっぱりこういうことだったんだ!」って思えた。
もし、NYだったらまた違ったのかな。一回しか行ったことないからわかんないけど。当時は、イーストとウェストではっきりスタイルがわかれてたし、俺は、ミュージックビデオで見ていたスタイルを、L.A.で目の当たりにできたから、そこから自分のスタイルも確立できた。「あ、ジャンル関係なくやっても、かっこよければいいんだ!」って気づけたんだよね。いまだにその衝撃を引きずって生きてるよ (笑) 。
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TDM
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その後、日本に帰ってきてからメジャーでの仕事をするようになったんですか? |
WARNER
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そうそう。L.A.からそのまま東京に行って、まだまだレッスン受けたかったから、BDCとかWINGとかに行った。そこでGo!Go!RABBITSのメンバーと知り合って、そこから、ダンサーとしての仕事をいっぱいやらせてもらえるようになったんだよね。
※Go!Go!RABBITS (ゴーゴーラビッツ):
黒須洋壬、原田薫、JUN、石川浩子、長谷川ゆり、野村涼子 (RYONRYON)、WARNERという豪華すぎるメンバーで構成されたダンスユニット。1999年結成以降、絶大な人気と実力でダンスシーンに大きな影響を与えた。
やっぱり、この出会いは大きかったな〜。当時、自分だけ年下で、みんなはかなり年上で、しかも、みんな先生の立場の人だったから、「え、いいんですか?」って感じだった。だけど、まぁ、こういう性格だから、いつもヘラヘラ笑ってたんですけど (笑) 。周りは大人だったから、そんな自分を受け止めてもらえたんだと思う。今から考えたらとんでもなかったと思う (笑) 。僕もハジけてたんでね。相当 (笑) 。
だから、あの時期にあのメンバーと一緒にいれた、一緒に踊れたのはすごく大きかったよ。それぞれにオトナな個性がある中で、一人だけ浮いてる感はあったけど (笑) 。
・・・うん、在り難かったなって思う。大きな転機だったね。
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ダンサーとしての満足感。プレーヤーから振付師へ。
WARNER
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あと転機としては、自分がプレーヤーから振付師に気持が移行していったことにきっかけになった、宇多田ヒカルちゃんのボヘミアンサマー※っていう2000年のツアー。アヤちゃん※とオオバっち※とやったあのツアーは、ダンサーとして一個締めくくりになる仕事の一つだった。それから、グンと振付師の仕事に傾くことになるからね。
※BOHEMIAN SUMMER 〜宇多田ヒカル Circuit Live 2000〜 :
アルバム「FIRST LOVE」の記録的なヒット後に行われた宇多田ヒカル初の全国ツアー。ダンサーはWARNER,BUTTERのOBA SHINICHI,多くのアーティストの振付師・ステージディレクター・パーソナリティーなどとして活躍しているTAKEUCHI AYAKOの3名。
そのツアーでダンサーとしてやりたいことは一つできたって思えた。一言で言えば、“踊りまくった”。ダンサーも3人しかいないし、役割も大きくて、自分たちの表現したいこともやらせてもらえた。満足度が120%得られたんだよね。 |
TDM
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それが2000年ですよね。その時代に、その大役はすごいですね。 |
WARNER
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そう、8年前だね。でも、あとは“歌”の影響かな。昔から歌って踊るっていうことが好きで、魅力を感じてたから、最近まで、結構歌に没頭してた。だって、楽しいんだもん (笑) 。結局楽しさはダンスと一緒ではあるんだけど、自分は、何かを創るのも好きみたい。創っていく過程が好きなんだよね。その辺は、自分ってマニアックなんだなって思うよ (笑) 。 |
TDM
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たとえば、ダンスの場合、どういうところから創っていくんですか? |
WARNER
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なんかね〜・・・“コレ”っていうのが浮かぶんだよね〜 (笑) 。あと、ミソだと思うのは、“心を解放すること”だと思う。
まず、枠に一切とらわれない。クラブで踊ってるよう
な感覚に近いかな。振付をすごく考えて創る人もいると思うんだけど、俺は、“いいじゃん、いいじゃん!やばい、こんなかっこいいのが出てきちゃった!”って感じで、出てくるものを自分で盛り上げていく感じ。自画自賛の連続です (笑) 。もちろんそこにはタレントさんのイメージもあるし、そのとき後ろのダンサーはこうしようっていうイメージが出てきて、それをダンスとして形にしていくっていう作業。
そういうことを考えてるときが一番幸せだね。やっぱり、自分はそういう性分なんだなと思う。曲作るときも同じ感じ。ただ、言葉とか難しいものがあるから、まだまだ苦戦してる部分はあるけど。理想を目指してる段階。だからこそ、ついつい追い求めちゃうんだろうね。
まぁ、音楽制作も10年くらいかかると思う。結局ダンスも、自分の理想を形にできる能力を身につけるまでにそれくらいかかったから。だいぶ、作曲もその辺に近づいてきてはきたけど、これからはもっと広げて、WORLD & STARSの5人とも何かをやりつつ、そこに音楽をプラスしたりしたいね。
そう!あともう一つ!僕と某トラックメーカー君とで、音楽プロデューサーチームを組んでアーティストの楽曲提供もしていくことになりそうなんだ。そのプロデューサー名もWORLD & STARS!新人アーティストをプロデュースしたりもしていくので、歌って踊れる人、歌だけの人、とにかく才能のある新人アーティストを募集していくんで、我こそは!って人は是非ホームページにプロフィール送って下さい!WARNER名義の曲も年内には出す予定なんで、その中では彼と組んだ曲も何曲か発表することになると思います。とにかく今後のWORLD & STARSは要チェックですよ! (笑) 。
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TDM
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“WORLD & STARS”の5人って? |
WARNER
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今年立ち上げた会社の名前でもあるんだけど、MIHO BROWN, SHIGE, KEITA, NANAKO, あと、俺の5人で「WORLD & STARS」として活動していきたいね〜って話もなりつつあって。皆昔から知ってるし、盛り上がるメンバーだからね。そこから色々広げていきたいな。福岡に5人でイベントで行ってるんだけど、東京でもショウとかやっていきたいね。
こういう時代だからこそ、今も高いポテンシャルをキープして踊ってる人たちは、すごいと思う。こういう時代でサバイブしてる人は、間違いないでしょ。気持ちと忍耐力を兼ね備えてるっていうかさ。
Go!Go!RABBITSのみんなも、ものすごいよね。すごくパワフルに活動してる。支えになるというか、離れてはいるけど、すごく励みになるよ。自分もすごく勇気をもらえる。頑張ろうと思えるね、うん。 |
TDM
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あんな素晴らしい才能を持った方たちはなかなかいないし、そういう方たちがいいものを創り続けてくださってるのは、こちらも本当に嬉しいです。仕事を依頼する側のモチベーションも、きっと皆さん上がっちゃうと思いますよ。そういういいものには、誰もが素直に反応しちゃうと思います。 |
WARNER
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その自分の感覚への素直さって大事だよね。「コレ、あんまり興味ない。」って、はっきりした感じ。俺もそうだもん (笑) 。やっぱ、その素直さはないとね。結局、心が動かされるかどうかだもん。 |
タレント?裏方?どう接していいのかわからないらしいよ。
WARNER
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改めて、ダンサーって素晴らしい仕事だと思うんだよね。だから、もっと重宝されてもいいのになって思う。
でも、制作側から見て、ダンサーに対しては、どういう風に接していいのかわからないっていう位置関係にあるみたいだよ。タレントなのか、裏方なのか、ダンサーの立場ってその間を行ったり来たりする。“振付師です、裏方です”ってはっきりすると、接しやすくはなるみたい。でも、ステージに上がる人でもあるから、タレント的な扱いもされつつ。そういう扱い方がわからないんだろうなって制作側から見てて思う。ダンサーの一番難しいところなんだよね、たぶん。 |
TDM
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逆に、ダンサーは裏方も表舞台もわかる、唯一の存在でもありますよね。 |
WARNER
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そう。そして、アーティストのステージには必要な存在だよ。
やっぱり、一人じゃ盛り上げきれないところを補ってくれるし、自分もアーティストとして歌うときに、それをすごく感じられたんだよね。アーティストとしても、ダンサーの存在によってすごく華やかになるし、テンションも上がる。スペシャルな仕事だなってすごく思う。
だからこそ、一般の人にも広めたいっていう気持ちもあって、福岡に作ったダンススタジオには、ヨガとかピラティス、ベリーダンス、サルサも入れてるんだよね。ジャンルにとらわれずに一般の人にも広まることによって、相乗効果というか、ダンスシーンの底上げになれると思って。
ついついかっこよさばかり追求していると、ダンサー同士での評価だけを気にしちゃったり、シーンとして特殊な方向に向かいがち。だけど、ダンスの良さって一般の人が観て評価するものでもあると思うし、一般の人の力を貸してもらってこそ、シーンの向上が成り立つと思う。
・・・ってことは俺も最近になって思うけどね〜 (笑) 。俺もそれまでは、かっこいいものを求める勢いだけでやってたから。 |
ダンスは心の解放。ネガティブの一切ない、完全ポジティブなもの。
WARNER
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ダンスは音楽に合わせて体を動かすっていうメソッドの中に、ネガティブなものは一切含まれない。完全にポジティブ。上手い・下手は抜きにして、踊ってて気持ち悪いって思う人なんて絶対にいない。人を心地よくさせて、解放的にさせる素晴らしいものだよね。
俺のクラスでも、ダンサーになりたい人もいれば、主婦の人もいるんだけど、主婦の人がだんだん垢抜けて、明るくなっていくのがこっちもわかるし、ダンスの力を目の当たりにしてすごいすごい!って思うし、嬉しいよ。
心を解放する=自分を発見する。「あ、こんな自分もいたんだ」っていう発見になったりするよね。 |
TDM
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たぶん、それを一般に証明していかなければいけないんですよね。 |
WARNER
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そっか。でも、それはなんとなくわかるな。日本ってそういう証明みたいなわかりやすいものがないと納得できない人も多いからね。
だから、例えば色んな人が試してる自主公演とかを、もっと大きくやれたらいいのかな。それは、制作が大きいって意味だけではなくて、今ダンスをやってる総人口はすごいと思うから。知らないところでスタジオもいっぱいあるしね。でも、色々細分化してて、ソレをまとめるのは一人の力では限りがあるし、絶対できない。
すごい理想論かもしれないけど、本当に全体が上手く一つになって、底上げしよう!って、集まって何かができるような企画があってもいいのになぁ・・・って思えるようになった今日この頃、みたいな (笑) 。 |
TDM
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いや、おっしゃるとおりだと思います。でも、この気持で接して、助け合っていける人がどれくらいいるんでしょうね。もしかしたらまだ、「ダンスで一旗挙げてやる!」ってがっついてる人の方が、割合的には多いかもしれない。 |
WARNER
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あ〜そうかもしれないね。だからこそ、すごく細分化されてる。今の盛り上がりってすごいもんね。今、福岡の子たちと接する機会が多いから、何を見てるかを聞くとやっぱりTVだもん。メディアの力はすごい。だからこそ、偏りもある。 |
TDM
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でも、昔我々世代がダンス甲子園で「かっこいい!」と思ってた現象が、今の子たちにも起きてるのかもしれないと思うと、一概に否定もできない。 |
WARNER
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その通り。ただ情報の偏りにはダンサーにも原因があると思う。すぐなんでも引き受けちゃうし、断る勇気がない。これからって子はしょうがないけど、安請け合いになっちゃ駄目だと思うんだよね。そういったところも、さっき言ったバックダンサーの仕事にスペシャリティがなくなってきてる原因に大きく関係していると思う。
俺個人としては今までそういう場面と戦ってきたと思うし「そういうことならお断りします。」ってはっきり断ったこともある。 断るのがかっこいいとかじゃなくて、よく考えた上でリスペクトがなければこれはもうしょうがない。目先のことばかりに捕われず少し先のシーンの向上も考えられる意志の強さを一人一人がもう少しもてたら大きな壁を乗り越えられる気がする。
今なら、ダンサーのことも多少守ってあげられるけど、色んな場面で基本は自分で判断して欲しいなって思う。結局は自分で考えて納得できる結果を得ないと。そこは各自の問題でもあるわけだからどこまで守ってあげたらいいのかなって思うところもあるよ。
でも、そこは、自分に誇りを持っておかないとダメだよね。自分の価値を上げるために、時には断ることも必要。“コレはできない”ってはっきりポリシーを守ることもね。そういう自覚をそれぞれが持ってくれたら、もっとよくなるかもしれない。
海外との違いは、やっぱりダンサーを守れる事務所の有無だと思うんだけど、はたして、この細分化されたダンスシーンにどこまで需要があるかはわからないよね。俺が守ってあげられるのは、なかなか全部は難しくて、ごく一部の人にはなっちゃうと思うけど、できるかぎりそれを広げていけたらいいなと思ってる。
ダンサーって、一人で戦っているからこその強さもあると思うから、それをいい形にまとめて発揮できたらいいよね。 |
TDM
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そうですね。素敵な言葉をたくさんありがとうございます。では、最後に読んでいる若いダンサーたちにメッセージを! |
WARNER
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まだまだダンスシーンを盛り上げていきたいと思っているので、ついてきてほしいです。なんだかんだありつつも、俺も盛り上げていこう!って試行錯誤してるから、ダンスはまだまだこれからの分野だとも思うし、ぜひぜひ一緒に盛り上げていきましょう!! |
TDM
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今日はありがとうございました! |
<おまけ。>
WARNER
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俺の中でね、“永遠のテーマ”ってのがあるの。 |
TDM
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何ですか? |
WARNER
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・・・“癒し系”。
言っちゃった〜コレ (笑) 。
癒し系になりたいの。でもなかなか難しい。(笑) ん〜どうしてだと思う?やっぱ性格かな〜 (笑) 。でも、そんなことはない!なれると信じて、これからも生きていくよ (笑) 。 |
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