TDM - トウキョウダンスマガジン

SKY-HI 〜 Take you higher. 〜
SKY-HI 〜 Take you higher. 〜
2001年6月の開催以来、毎年新たな企画にチャレンジし、ダンサーと共にシーンを創り出してきた「WORLD WIDE」も今回で20回目。会場をTOKYO DOME CITY HALLに移し、2013年1月19・20日の2日間に渡って開催される。ダンスのカッコ良さ、楽しむという本質を活かしたパフォーマンスはダンサーの活躍する機会を増やし、演出にこだわったゲストライブ&ダンスのステージングではライブアーティストとの距離が一気に縮まった。そんなWWに才能の華を添えてくれるアーティストの一人、SKY-HIがTDMに初登場。ラップはもちろん、パフォーマンスのパワーと勢いの止まらない実力派ラッパー・SKY-HIが発信するピュアでコアで、強くて柔らかいインタビューをお届け。

SKY-HISKY-HI(日高光啓)

男女7人組のスーパーパフォーマンスグループ、AAA(トリプル・エー)のメンバーとして、2005年9月14日にシングル「BLOOD on FIRE」でデビュー。 Rap,リリックを担当する。その傍ら、ソロラッパー「SKY-HI」としてclubシーンでも2006年頃からバトルやライブを重ねる。 今年に入りKEN THE 390、KLOOZ等の作品での客演で話題を呼び、FM横浜での自身のラジオ番組「ACT A FOOL」では、SEEDA、SIMON、NORIKIYO等をゲストに呼んでのフリースタイル セッションが話題になる等、ソロとしても精力的に活動している。2012.05 コンピレーションアルバム「SKY-HI presents FLOATIN' LAB」をリリースし、その、コンピレーションアルバ ムを記念して行われたワンマンリリースパーティーのDVD「SKY-HI presents FLOATIN' LAB Release party Welcome to the "LAB"」も大好評発売中!その他KREVA作品への客演や、海外アーティストSPANKERSの作品にも参加するなど活躍の幅を広げている。さらには、2013.02.08福岡ドラムロゴスを皮切りに自身初のワンマン全国ツアー「SKY-HI TOUR2013 "The 1st FLIGHT"」を敢行!!

<SKY-HI TOUR 2013「The 1st FLIGHT」>
●2月8日(金)
会場 DREM LOGOS (福岡)
開場 18:00 開演 19:00

●2月12日(火)
会場 BIG CAT (大阪)
開場 18:00 開演 19:00

●2月17日(日)
会場 ダイアモンドホール (名古屋)
開場 17:00 開演 18:00

●2月27日(水)
会場 Zepp DiverCity Tokyo (東京)
開場 18:00 開演 19:00

http://ameblo.jp/sky-hi-blog/

「自分は絶対音楽に関わる仕事をする人間だ。」

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「アーティストになる」という目標は小さい頃からの夢だったのですか?

SKY-HI

小さい頃からの夢ではないです。 サッカー選手になりたくて...。

思い込みが激しかったので、もうなれるものだと思い込んで、サッカー選手になって活躍する姿や、ヒーローインタビューからプライベートまで、想像してました(笑)。

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デビューをしたきっかけは?

SKY-HI

中学生の頃からドラムをきっかけに好奇心が爆発して、興味が湧いたものすべてに手を出すようになりました。ドラムを軸に、ダンスやラップも楽しい遊びのうちの一つとして取り組んでいました。

そんな中で、止まらない好奇心が、「芸能界って華やかそうに見えるけど内側はどうなのだろう?」と気になって、まさにTHE芸能界っぽい、「avexのデカいオーディション」を受けるに至りました(笑)。

他にも真面目なエピソードもたくさんあるんだけど(笑)、とにかく、芸能界はともかく、「自分は絶対音楽に関わる仕事をする人間だ。」という確信はあったので、芸能界+音楽を、共に裏も表も学べる、一番良い現場、という気持ちでデビューしました。

なので、特別な思い入れや確固たる人格形成は、むしろデビュー後からですね。今だから言える話ですが(笑)。

目に映るすべての人間を、ステージを、ロックしていく。


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AAAとしての活動とラッパーSKY-HIの違いと活動を両立していく上で、日高くんなりのスタンスや自己表現に対してのすみ分けなどはどうしているんですか?

SKY-HI

うーん、根本的な目標が、「目に映るすべての人間を、ステージを、ロックしていく。」というところなので、「スタンス」という点では共通しています。ゴールは一緒で、手段がまったく違うという感じかな。

AAAでは、「楽しそう」と思ってもらうことを第一に。
SKY-HIでは「そこにいる人間を残さず自分が連れていく」という意識を第一に。かな?
今思い立つがままに言ってますが(笑)。

逆に絶対したくないのは、「いや今はAAAモードなんで...」とか、「今はSKY-HIなんでそういうのはちょっと...」とか、そういう意味のわからないすみ分け(笑)。

すべての自分を肯定できないのは、ホントにダサいことだと思うので。

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現在の日高光啓に影響を与えた人はいますか?

SKY-HI

ライムスターですね。

日本語でラップを、カッコ良く、スマートに。 かと思いきや、土臭く、泥臭く。 かと思いきや、腹を抱えて笑わされたり、何につけてもウィットに富んだ表現で、ラップの幅の広さと奥の深さを目で、耳で教えてもらいました。 中学生の時にライムスターを見なかったらラップ始めてません。

他、両親を始め、すべての人間から影響を受けてます。 人間が大好きなので(笑)。出会う人すべてのことをたくさん知りたいと思うし、知れば知るほど自分の養分になって、吸収されていくので...。

もっともっと、様々な人とたくさん出会いたいです。

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影響を与えた作品などもあれば教えてください。

SKY-HI

小説の「愛と幻想のファシズム」ですね。

世の中のシステムは複雑で繊細で時に無機質で、恐るべきものだけれど、それを動かす「人間」や「言葉」は相反するようにシンプルで、強さや温度がすべてをひっくり返して行く力になる。

トウジの演説シーンは、文字を通じているはずなのに、直接言われているような、五感、もしくは六感まで支配されるような、トウジと同化していくような、そんな感覚に陥ります。

言葉の力を改めて思い知ったかも。

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日高くんは若い世代に影響を与えるアーティストだと思うのですが、今現在、自分が居るダンス、ラップ、歌などのシーンをどう感じていますか?

SKY-HI

ダンスは、ダンススクールや義務教育での取り入れもあり、どんどんと身近になっていっていると思います。ホントに素敵なことだと思います。

一方で、その分、表層的な部分だけ掬われて、コアの部分は浚われないことも多いのかな、とは思います。さらに風営法をはじめ、文化についていけてないならわしが残ってしまったままになっていたり、足枷も多いと思います。

もちろん、楽しければ良いというのが大前提で、説教臭くなったら文化はオシマイだと思うのですが、このままだと、どの道オシマイになってしまうかも...と思うことも少なくないです。

タコの入ってないたこ焼きは、美味しくなくはないけど、それが主流になってしまったらいつしかたこ焼きそのものがなくなるだろうし。変な例えですいません(笑)。

そして、それはダンスに限ったことではなくて、商業音楽や、もっといえば社会そのもの、日本全体に対して言えることだと思います。その中でラップは、言葉を扱う文化なので、人間の意識を変える力を持ってる、今の時代こそ必要な手法や文化だと思っています。

まぁそれも、「説教臭いだけ」になったら絶対浸透しないだろうけど(笑)。

バランス、が大事だと思います。
10と10で取るバランスでなく、100と100でバランスが取れたら、素敵ですよね。


SKY-HI 〜 Take you higher.  〜

誰かの価値観ではなく、最新の自分だけの価値観を持って。


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最近気になっているダンサーがいたら教えてください。

SKY-HI

SKY-HIダンサーでもある、JUN、MONEY、TAKUYA(TAKU-YARD)、KENSUKE、次いでRYUTAの5人は、s**t kingzの次の世代で、アグレッシブ且つ洗練されてて、これからが楽しみな奴らだと思います。

昔彼らが組んでたBURSTはNEXTを感じたし、今もMONEYやTAKUYAたちがやってるSAGGA FLICKAは、アーバンで素敵です。もっと名前が売れるべきだと。決して贔屓目なしで!(笑)。

TDM

ワンマンライブを実施することになりましたが、今回のワンマンはどんなライブにしたいですか?

SKY-HI

SKY-HI2012年の初めてのワンマンでは、コンピアルバム参加アーティストに全員来てもらって、ホントに今までの25年間すべてを詰め込めたライブができたと思うのですが、次は、この先の何十年にも続く、俺の一歩目を作りに行こうと思ってます。

ラップもダンスもスキルの意味で行ける限り高めて、構成もMCも、確実にコントロールして、その上で俺だから成し得るエンターテイメント要素はできるものすべてを詰め込んで、俺と言う人間の一番ピュアでコアで、強くて柔らかーい部分をおしげなくさらけ出そうと思ってます(笑)。

ヒップホップヘッズ、ダンスマニア、音楽ファンから、いつものお客さん、一見さん、ライブなんて見るのが初めてだって人まで、残さず連れていく自信はあります。

TDM

WORLD WIDEに今回で3回目の参加になりますが、過去2回出演してみた印象はどうでしたか?また、今回どんなステージにしたいですか?

SKY-HI

ストイシズムに溢れたイベント、という印象です。

他のダンサーたちからも初期衝動に近いパワーをたくさんもらえるので、今回もこれから先の活動の原動力をもらいに行こうと思ってます。

「ダンスって楽しい!」って純粋に思い出させてくれますよね(笑)。実際ライブでラップしながらダンス、というスタイルを作るきっかけになったのはこのイベントなので、本当に感謝しています!


TDM

日高光啓として、今後の展望は?

SKY-HI

このまま芯はぶらさずに、でも立ち止まることなくどこまでも広げていきたいと思ってます。

ラップっていう、世界的に見たらもう当たり前になった手法を武器に、コアなファンから、「ラップ初心者」までキチンと残さずに届けて、いろーんな意味での新しい価値観を、押し付けじゃなくてあくまで自然に植え付けていきたいです。

当面の具体的な目標は、日本武道館です。

TDM

では、最後に、表現者、特に読者のダンサーに向けて、メッセージをお願いします。

SKY-HI

入り口は、浅くても深くてもなんでも良いと思うんです。 温故知新という言葉があるように、先人たちやその功績にはリスペクトして然るべきだけど、10年前の価値観は10年前のそれ、1年前の価値観だって既に1年前のそれ、1日前の価値観だって過去の物だと思うので、常に自分をアップデートして、誰かの価値観じゃなくて、最新の、自分だけの価値観を持って、世の中に提示していって欲しいと思います。

1人でも2人でも10万人でも、他人の前でなにかを見せた時、あなたは既に見られる側、提示していく側だと思うので...

作り上げてきましょう!
俺も明日死ぬ気で頑張ります!これからもよろしくお願いします!

TDM

力強いメッセージをありがとうございました!ワンマン、そしてWORLD WIDEのステージを楽しみにしてます!
'13/01/09 UPDATE
interview by AKIKO


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