TDM - トウキョウダンスマガジン

NUMERO UNO・raison d'etre(存在理由)を模索し続ける挑戦者
27歳の現在、ダンスやそれ以外、どんなことに興味がありますか?
M:今いろいろな事を表現しているわけだけど、それらを完成した形で表現していきたい。媒体は何でもいいんだけど、映像であったり、照明であったり、完璧にやりきれていないので、衣装とかもそうだけど完璧な演出でショウをやりたい。

今も妥協しないでやっているつもりだけど、すべてがプロフェッショナルな状態じゃないから。それを例えばビデオとか何か一つに残していきたいですね。自分も納得したいし、それを見ることで自分達のレベルもあげたいしね。イマジネーションが重要。自分自身に心の栄養を与えないと。
最近の自分達の中での流行りはありますか?
M:私は最近ジャネットの80年代のビデオ、リズムネーションよりも昔のコントロールの時のビデオをまた見だしてる。いちばん好きなのは、オーライト。今見てもすごい新鮮。しかも振りが難しい!

J:ビデオは普通にジャネットとかマイケルとかを疲れた時に見る。でも見るのが恐くて、勇気がいるんだ。ビデオを見ていると、うれしいんだけど同時にヘコむの。

私の計画では、今くらいの歳に向こう(L.A.)で活躍してて、ツアー回っている予定だったから、悔し泣きとかしちゃう。「(ダンサーを見ていて)こいつはダンスへただけど、パワーはあるな。いやいや、私のほうがあるな」とか(笑)。コンサートに行ってても泣いてた。ジャネットと同じ空気にいるのも嬉しかったけど、それと同時にダンサー達が大切にされてて、ナイスな演出で、凄いな、悔しいな、って。だからビデオとかって見たいけど見れない。けどやっぱり見たい。なんだか不思議だよね。だけど将来、死ぬ迄には私もワールドツアーで日本に帰って来たい。日本でもまだまだやらなきゃいけないことが沢山あるんだけどね。
現在のダンスシーンの若い子達に気になる人はいますか?
J:うーん、いないねぇ。

M:ショウを見ても誰の真似をしているんだとか、誰の生徒なんだとかがすぐにわかっちゃう。上手な子は増えたけど、自分が何を表現したいのか、自己の持つイメージとかが伝わってこない。

J:上手なだけで、涙は出ないよね。

M:流行りのダンスをしてる子が凄く多くて、「じゃあその流行りが過ぎた時にあなたには何が残るの?」という感じだね。それ(流行り)が本当にやりたい事ならいいけど、その子達に「そこまでの覚悟があるのか」とか思う。私は「自分が踊っている意味は?」とかすごく考えるから。自分の気持ちのうえでは《世界で1人しかいない自分》を踊って表現したいから。

J:そうじゃないと、気持ち悪いからね。「コピーじゃないんだから、真似をするんじゃねえよ!」とか思う。例えば私が生徒に教えている時に「ここはフリーでやって」って言っても、みんな同じだし、何もしない、「何かやれよっ、オイッ!!」って思う。

M:逆に凄い下手な子でも意気込みさえあれば、「ああこの子は上手くなるな」とか思う。下手でもいいから「自分でいてくれよ」っていう感じだね。ダンスをやっていてまで制服を着ないで欲しい。

J:勿体無いよね。そういうダンスをする人が何千人いるかわからないけど、チョットでもそこを変えれば、突然抜け出せると思うんだけど。

M:本当はどんどん出て来て欲しいのよ、年齢も関係なく刺激を与えてくれる人が。イベントへ遊びに行ってる時でも、良い選曲をして踊っていれば(若い子のダンスを)見ようとも思うけれど、他のチームと同じ曲を使ってる人が多いしねぇ‥。
今回のインタビューでは、ダンスをする人達にとって多くの価値ある言葉が出てきた。最近のダンスシーンを引っ張る若手達は確かに「自分の踊りをする人が少ない」という話をよく聞く。このインタビューを読んだ人が少しでも自分のダンスについて考える時間を作ってくれれば幸いである。
2002.8.21のDAB-DAB出演の映像:
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2002.11.21のDAB-DAB出演の映像:
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'02/09/10 UPDATE
取材場所: dj bar / o.p.t
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