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MIHO BROWN 〜やっぱり私はこれが好き。 〜
MIHO BROWN 〜やっぱり私はこれが好き。 〜
MIHO BROWNから放たれるエネルギーや口ぶりに深い人間味を感じるのは、第一線で大きな仕事を続けていた頃に感じた納得できない自分を乗り越え、切り替え、新たに今は理想とする自分を掴み取ろうとしている段階にあるからだろう。楽しそうに語るさまざまなダンスの魅力。そのピュアな心をいつの時代も変わらず持ち続けてきた彼女だからこそ、柔軟に吸収し、清々しく「私はこう思う」と言える。9月には初のセリフを話す舞台「死神パレード」にも挑戦!これからの“BROWN”からも目が離せない。

MIHO BROWN●MIHO BROWN

ダンサー、ディレクター、コレオグラファーなど、様々なメディアで活躍する日本を代表するフィメイルダンサー。主に1997年〜2000年、伝説のヒップホップダンスグループ"Brown Sugar"の活動により、日本でGirls Hip Hopというジャンルを確立させ、ダンス、ファッションすべてにおいてダンス界に新風を巻き起こした。'09 スニーカーNIKE AIR TROUPEよりMIHO BROWNモデルを発売。中京テレビ、スーパーチャンプルゴールドダンサーゲスト出演。Toyota「bB」CM。映画「昴」ダンスバトルシーン出演など。最近の主な振付、ディレクター、出演作品に平井堅JAPANESE SINGERツアー、久保田利伸25周年記念ツアー、黒澤薫"love life" in Billboard live、山下智久"怪セラセラ"PV,TV、劇団EXILE 第4回"Dance Earth" ゲスト出演、宮本亜門演出ミュージカル「オズの魔法使い」、Pharrell Williams×SMAP"Happy"SMAP×SMAPなど。またYuko Sumida Jackson 主宰、Awakening 初級インストラクターとして7月からクラススタート。9月Eccentric Dancetainment Girls 『Red Print 』Vol.1 始動!「死神パレード」出演決定!

ダンスが全部好きな理由。  

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今のいいダンサーにいい意味で普通の人はいない。ひとつ秀でた魅力があって、多くの人を動かしてきた人があらゆる面で残ってると私は思うんです。だから、魅力があり、踊りの技術ではなく、ダンサーとしてのスタンスとか、ちょっとした表情とか、そういうものが踊りに出ると思っていて、そう思った時に、ミホさんの踊りはすごいです!(笑)。

MIHO

ミホさんって!(笑)。でも、ありがとうございます。

でも、その辺は同じフィールドに立ってきた仲間だからエイジレス。あの時代にあのシーンでやって来た人たちは皆同じ仲間な感じがしますね。もちろん、年齢や経験の長い先輩は大尊敬の先輩です。

私がストリートに入ったのはジャズをやった後でした。 自分が飛び込みたいと思った世界にいる人たちは年下だろうがみんな先輩だと思って尊敬します。だって、自分がやってないことを先にやっていたわけですから。年齢に関係なく、そういうみんなと仲良くしたりいろいろなものを共有したりしてきてよかったです。ダンスに年齢は関係ないですね。

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最初に影響を受けたダンサーはいますか?

MIHO

MIHO BROWNTRFさん、中でも、CHIHARUさんです。

もともと私はシアター系のジャズをやっていて、当時のシアター系は名倉(加代子)さん、家城(比呂志)さんなどが有名で、私はご縁があって家城先生を師事していました。大変お世話になり、そこからいろいろなダンスを知っていきました。

当時の有名なところだとBDC(ブロードウェーダンスセンター)とかPDC(プロフェッショナルダンスセンター)とか一番街さんなどがありましたね。そこで、デビッド・ボーエンさん、ユーコ・スミダ・ジャクソンさん、JuNGLEさん、赤井祐子さんなどを、ポカーンと口を開けて見ていました。その世代はそれこそ日本のダンスシーンの開拓者がウヨウヨいた時代でした。

それで、CHIHARUさんたちがTRFとして、デビューされて、しばらくして彼らがプロデュースした「STOP,LOOK,LISTEN」というダンサーだけのライブステージのオーディションがあったんです。

MIHO BROWN出演者にはBUTTER、RAMPAGE、GAMIさん、Sound Cream SteppersのGOTOさん、MiHOBOOさんたちがいて、そこに、のちに女の子だけのヒップホップダンスチーム、Brown Sugarを組むことになるMEGちゃんがいました。

私はBDCに通っていた時の友人からそのオーディションを知り行ったけど、当時の私はあまり踊れていなくて・・・(笑)。今でも冗談でSAMさんに「よくミホのこと拾ったよな〜。」って言われます(笑)。

最近、CHIHARUさんにお会いすることがあって、「“あの子よかった”って思ったし、ミホちゃんには光るものがあったんだよね。」って言ってくださいました。泣ける・・・。「その節は本当にありがとうございました!そこで私は人生が変わるたくさんの仲間に出会うことができました!CHIHARUさんたちのお陰様です!!」と話しました。

そのオーディションは、ストリートもジャズもダンサー枠は極小だったけれど、CHIHARUさんたちの振付、醸し出している雰囲気が大好きで、「いつか一緒に仕事したい!」と思っていたので、嬉しかったです。

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そうだったんですね。ジャズダンサーには誰がいましたか?

MIHO

(當間)里美ちゃん、港ゆりかさんとか!やはり出会いですよね。みんなもそれぞれに思うだろうけれど、私はあの黄金時代を経験できてよかったと思います。

CHIHARUさんたちや、Sound Cream SteppersのGOTOさんや、Bro.KONEさんなどの、たくさんの日本のダンスシーンの開拓者の方々が、一般の社会、ビジネスとも繋がられていたことで、私たちは夢のある現場を見ることができました。

私はそのビジネスの方も、そこからストリートの世界にも入っていけました。GOTOさんたちからホコ天時代のこととか、段ボール敷いて代々木公園で踊っていたとか、その時の貴重な映像を見せてもらったこともあります。

それから、Rock Steady Crewのクレイジー・レッグスさんは映画ではじめて見て、「誰なんだろう?新しくてかっこいいダンスをする人だな・・・」と認識はしていたけれど、それがあの彼で、しかも「みなさん友達なんだ!」と繋がったときは大興奮しました。こうしてSAMさんなどが海外のダンサーたちと出会い、日本に連れて来られて、交流されてきたことからいろいろ知り、学ぶことができました。

エンターテイメントは海外から来て広がったことではあるけれど、今みたいにYouTubeなどで簡単にみつけることができなかった時代に、そうやって先輩方がダンスが好きというだけで、自分の足で海外まで追いかけて、自分たちのものにして、日本の文化に広げ、ビジネスにまで繋げたなんて・・・まだ誰もやったことのないことを先陣切ってやってのけるってすごい!!!

そんな生き方をしている先輩方、そのそばにいることにすごく夢中でした。大尊敬です!

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そもそも最初のダンスとの出会いは?

MIHO

日舞の藤間流の親戚がいまして、その影響で小さい頃から歌舞伎も好きで、高校の時に 中国舞踊にも出会いました。当時、体育の授業にダンスのクラスが既にあって、内容は日本の伝統芸能でした。

鬼剣舞、八戸えんぶり、盛岡さんさ踊り、青森のハネトなど。太鼓も八丈島、三宅島、秩父屋台囃子とか自分たちで地元まで習いに行ったり。それが体育の授業だったので、バスケや陸上部にも入っていたけれどそれに夢中でした。

その時に、中国の大使館から派遣された名舞踊家が学校に来たんです。当時、現役を終わるか終わらないかの方で、夫婦で来日、ものすごく訓練されている方々で、とにかくダンス、立ち振る舞い、目の輝き、すべてが美し過ぎて、衝撃的でした! 京劇やバレエの要素も入っていて、その芸術にも憧れましたが、バレエの基本と似たような中国舞踊の基本もその先生に一から教えてもらうことができました。こうして振り返ってみると、結構、芸術に触れる機会がありましたね。

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日本の伝統にも触れていたんですね。

MIHO

もともとお祭りが好きで、おばあちゃんがちゃきちゃきの江戸っ子。荒川区の下町だったから、小さい頃から盆踊り大会も好きで、リードして踊る人や太鼓をたたく人とかを興味津々でよく見ていました。特に味わい深く踊るおばちゃんに吸い込まれてずっと目が離せなくて、しまいには教えてもらって一緒に踊っていました。

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ご両親が踊ってたわけではないんですね。

MIHO

音楽の影響は父と母です。ポップスからジャズやファンクも好きで、ジェームス・ブラウン、マイケル・ジャクソンからアート・ブレイキーなど、たくさんいい音楽に触れられる環境でした。普段から趣味でよく音楽を聴いているお父さん。母も音楽やダンス好きで、おばあちゃんは三味線弾きの小唄うたい、親戚は日舞関係・・・。

アーティストと仕事をするということ。


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当時、バックダンサーはあまり誰もやってなかったですよね。

MIHO

風見しんごさん、TM NETWORKさんなどのバックアップやスクールメイツの方々、また家城先生のところで先輩に大澄賢也さんがいらっしゃいました。THE CONVOYの舘形比呂さん、右近良之さんなども活躍されていました。

そして、のちに業界で初めて仕事をする機会をいただいた恩師、黒須さんと出会います。ここからまた様々な仕事に繋がる出会いが一気に広がっていきました。

多くの素晴らしい方々とお仕事させていただきました。

自分が何を一番やりたかったのか、思い出させてくださる。ダンスだけでもなく芝居だけでもなくうまく調和している表現。歌の世界とダンスが融合しているステージング。

アーティストさんの土俵を借りてこれまで大きなステージをお借りして、挑戦させていただいてきたことはすごく幸せなことですし、これからも関わっていきたいです。自分のやりたい理想のダンスを次々に叶えさせていただいたと思います。

最近ではミュージカルの出演も果たしました。歌って踊ってお芝居して・・・「やっぱり私はこれが好きなんだ」と思いました。

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すごい!!

MIHO

出会いは多く景色も広く、それによっていろんなことを経験し、学び、本当にたくさんの方々に支えられてお仕事を続けてこれたと思います。本当にありがたいです。

自分が求めれば、そういう人たちを自分が引き寄せ、見つけるというか。見つけたらあとは努力次第。なんて幸せな話だろうって思います。だから、本当に自分次第で、クヨクヨダラダラしている時間はない!

・・・と思いつつ、最近はお庭でお茶する時間とか日向ぼっこする時間が楽しかったりもして(笑)。今は9月のRed Printと8月末のWORLD WIDEの作品作りに奮闘の毎日ですが!

おばあちゃんみたいだけど、ダンス以外のそういう時間で自分をリセットしたり、エネルギーチャージできています。心の余裕が出てきたのか・・・ただのさぼりかな!(笑)。

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それくらい、突っ走ってたんですね。

MIHO

MIHO BROWN3年ほど前に長く続けさせて頂いたクラスだけ、全部お休みさせて頂いた時期があって、その前まではずっと突っ走ってました。でも、心のどこかで「立ち止まらないとやばい。自分は誰?どこにいるの?何ができるの?」ってなっちゃったんですよね。

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その原因は?

MIHO

MIHO BROWNONとOFFがうまく切り替えられなかったのかな。ずっとノンストップで駆け抜けてきての挫折でした。

走り続けてこられたことは本当に感謝しています。 でも、ずっとどこかで自分の足りない所、納得できない自分のまま時はどんどん流れていき、処理できないまま過ぎて行くという感覚に、自分はこのままでいいのかと、どこか苦しい自分でいっぱいになってしまって、立ち止まりたい自分におしつぶされ、3年ほど前に長く続けさせていただいたクラスを思い切って全部お休みして、一時停止リセットさせていただきました。

今思うと贅沢すぎる時間。

クラスは去年の夏から、周りの方々の支えのお陰さまで、また復活することができました!

今一度、立ち止まったことで、当時、見過ごしてきたものが見えたり、認められない自分を素直に受け入れようって、思えたり、今はそれを意識的に改善していきたいし、走りながら冷静に自分を見る時間も取って、これからも、さらにもっともっといろんな人々と出会って関わって行きたい。時間がいくらあっても足りないかも!勉強する時間を多くとりたい!

大事な時間に気づいた。アウェークニングとの出会い。


MIHO

いつの時代もダンサーとセッションするのは楽しいですよね。みんなでものを作ったりするのも楽しい。

私はものづくりもセッションだと思っています。だから、ユニットをやる意味は、作品を創る時からセッションだから、「このメンバーでできる最強は何か」をみんなで探っていきます。

「今回のイベントで、できることをやろう!」と向かって行くところが一緒になると、振り作り、音選びが全部クリエイティブで、全部楽しい時間なります。

仕事で忙しいことももちろんいいことだけど、一番いいのは、人の舞台を見たり、クラブに行っていい音楽に出会ったり、そうすることで新しい発見があるし、友達との付き合いを大事にしたいと思うのは、新しい世界が開けますから。

その逆で、自分が友達に与えられることもあると思う。それで元気になった友達からまた何かもらえます。だから、 友達との交流、クリエイティブな人の現場に出向くのは、そこは私のライフには欠かせません。だから、どんなに忙しくても人の公演は観に行きたいし、鍛えることもやめたくないですね。

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そうですね。今はどういう鍛え方をしていますか?

MIHO

MIHO BROWNアウェークニングです。新感覚の鍛え方で、目覚めさせるという意味で、世界の女性の中で初めてマイケルの世界ツアーを周った女性、ユーコ・スミダ・ジャクソンさんが考案したものです。

彼女はあらゆるトレーニングを経験されています。ジャズ、バレエはもちろん、カポエイラ、コンテンポラリー、アフリカンなども。アウェークニングダンスではアフリカンもカポエイラの要素も入っているんですよ。

私も最初はカポエイラなどのフロアーに這うような体勢からの足上げなどあまり気持ちよくできなかったのですが、アウェークニングをやるようになってから、ブレイキンのチェアーなどのフロアの技も気持ちの抵抗がなく体が浮くから入れて、気持ちよくできるようになっちゃったかも!

アウェークニングはフロアとお友達になれる感覚が起こる。 腹筋もいろいろ割れはじめ・・・それくらい締めれるようになれる。だまっていても腹筋が割れる時代はとっくに終わりましたが(笑)希望が持てます!

鍛えるというと、筋肉痛になったり、動き過ぎ、伸ばし過ぎとかあるけど、アウェークニングは続けていればそういうのがほとんどないんです。それなのに、ある日、2番プリエに深く入れたり、開脚をして足抜きすることが楽にできるようになったり。バレエで「あれ!?私バランスがとれるんだけど!」っていう体になっています。体幹トレーニングの要素もあります。不思議なのは、直接その動きをやっていないのに、その動きが楽にできるようになっていること。

アウェークニングは流れがあってそれが効果を生みます。有酸素運動、ストレッチ、ヨガのポーズを取ることによって骨格の矯正と改善に繋がります。自分のカラダ、そして心にも向き合う時間になります。最後の完全脱力の時間が至福のときですね。その時間に私は軽く仮眠ができます。流れで動いたあとのこの瞬間が、体と心に非常に大切な効果を生むんです。

鍛えたのに、なぜか終わると全身マッサージしたみたいな脱力感と、また次に向かっていけるナチュラルな体になっています。次の日ほどよい筋肉痛はあっても、痛くて辛いというものはないですよ。

それらの流れ、メソッドがアウェークニングは本当に素晴らしい。有酸素運動、リラックス、再生、覚醒まで持っていけます。そして、ヨガ、ピラティス、格闘技、有酸素運動の要素に加えて、デトックスとリラクゼーションの要素も入っています。 私は今までいろいろな鍛え方を一応専門的にやってきたつもりでしたが、やはり、闇雲に鍛えるだけではなく、自分の体と向き合っていくことが大切だと思います。

もっと早く出会っていたかったですね。年を重ねた後半のツアー中、カラダを痛めることもしにくかったと思います。

動いていると鍛えられている気がしてしまうけれど、実は鍛えられていないんです。同じ所を使っているだけになったりすると、そこにばかりテンションがいくから当然怪我もするし、使わない箇所はどんどん退化していきます。若い時はその維持が長いかもしれないけど、年齢と共に退化も早くなる。基礎代謝も落ちて脂肪になりやすいとか。でも、90歳で鉄棒の大車輪ができる方や、ボディビルダーの方もいらっしゃるので筋肉はいくつになっても鍛えられるそうです。

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理解することが大事ということでしょうか。ユーコ・スミダ・ジャクソンさんがアウェークニングというトレーニングを先駆けてくださっているんですね。

MIHO

アメリカで手術しないといけないと言われたくらいの股関節の病気を、ご自分のアウェークニングで治されました(笑)。今では手術の予定はまったくなくなったそうです。他にも、生理不順な人が正常になったり。ヨガと同じで、ホルモンの流れや呼吸を整えたり、メンタルにも働きかけられる。そして自分の体、心まで向き合える。

だから、自分のペースが大切。いい意味で周りと比べない。周りは自分の向上心をあおる程度に意識。自分に向き合いながらそうやってポジティブに受け入れ合いながらできます。それが大衆で集まってやる良さだと思います。学校もそう、銭湯もいいですね〜(笑)。

大衆で集まる良さは、褒めてもらえなかったところを褒められたり、できなかったことができたり、できてたのにできなくなったり。でも、どう思うかはそれぞれ性格もあるけど、萎える必要はないと思います。

だって、そこの結果を求めるためにやっているわけじゃなくて、理想を掲げてそこに向かう自分が大事だから。何もやらなければはじまらない!っていうスタンスでやるものだから。

でも、ひとつ言えるのは、ダンサーだったら、やはり自分の体を知って、なんらかの形でメンテナンスはした方がいいですね。ピアノでしたら調律ですかね。

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崩した後にやるんじゃなくて、崩す前にやらなきゃですよね。

MIHO BROWN的ネガティブ気分解消法。


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つらいなって思う時の対処法ってありますか?

MIHO

つらくて何もしたくなくて寝ちゃう時もありました。体力チャージされるって意味でポジティブにはなるんだけど、結局、何も変わらないんですよね。逃げてるだけ。自分が腐っちゃいます。

あとは、私は「こうなりたい!」はいいけど、「こうならなきゃ、こうあるべき」っていう固定観念があると意外とできないです。

できない自分でもいいから、まず「なりたいもののためにはどうしたらいいか、それで何からはじめようか」と順序立てて頭の中を整理します。あとは普段の生活の中でささやかでもいいので幸せをみつけてウキウキします。すると、どんなに辛くてもチャレンジしようとする自分がでてきます!すると、苦手な仕事も「一歩でも進めてみよう、やっていこう!」って思います。

最近、思うのは、普段の生活が大事ですね。誰とどういう風にどういうサイクルで過ごすか。ご飯を作る、掃除、洗濯する時間も必要。そうした中に少しの達成感があってそれが気持ちよかったりする。それが頑張る気持ちになります。でも、もちろん落ち込むこともありますけどね。

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落ち込むことって何ですか?

MIHO

自分のダンスのいい加減なところとか、頑張ろうと思ってる割には追求できてないなとか。あとは、人と比べたりとか。本当に自分がいっぱいいっぱいになってできないことを後回しにしちゃうこととか。それで後悔して落ち込みます。

でも、落ち込んでいても何も変わらない。寝過ぎても頭痛いだけです。

落ち込んでいると普通の生活をしている人がみんな素晴らしく見えるんですよね。そうすると「まずはそこからやってみよう!」ってなる。ダンスと全然関係ないところですが。自分はダンスのことで落ち込んだから、ダンスで盛り上がるのかと思いきや、私は最近、意外と違うところから気分を巻き返していきます。

できていない自分のことは忘れてはいない。だから、「あ、今、気分がいいからやってみようかな」と思ってやると意外とできちゃったりします。ものすごく乗り越えられない!と思っていたのが嘘みたいに、「あれ?全然打ち込めるじゃん。答えは出ないけど、打ち込むことが何よりも楽しいじゃん!」と思えます。

何か道が見えるとスッキリするし、あとは一回でやろうとするからダメだったり。「もういいや、これは一回じゃできないことだから諦めよう。何回かに分けてやっていこう。」って、自分にあまり期待しない自分も出てきたかも。「どうせできない」ではなくて、「ゆっくりやりゃいいじゃん」って(笑)。

やらないよりはやった方が前進できます。いきなりジャンプアップはないです。それが途方がなくても自分がやりたいんだったら、一個ずつやっていくしかないですね。

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アウェークニングをやったことでそういう変化になったんですか?

MIHO

それは大いにあります。20代の頃はずっと元気だからなんとでもできるし、ちょっと寝ればすぐ回復する。だからたくさん無茶してきました(笑)。でも、だんだん衰える時間は早くなります。

だから、アウェークニングに出会ったことで、身体をメンテナンスしたり、パフォーマンス能力を向上させたり、自分と向き合う時間ができたことで、今まで焦ってやっていたことが、余裕を持ってできるようになりました。いい意味で諦めなのかな?(笑)。でも、やりたきゃやればいいじゃん。やることをやるだけさ!って感じです。

でも、ポジティブになってくると、「あれもやりたい!これもやりたい!理想になるためにはあれもこれもやらなきゃ!ヤバい!」って思った瞬間に、「うわ!時間ない!」ってなります。

ポジティブなエネルギーの中はいろんな話につながっていくことが多いです。それは昔からも繋がっているんだけど、昔はそう思う暇もなく、どんどんやっちゃったから中途半端になっちゃったこともあったかもしれません。

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なるほど。なんだか、一度アウェークニング受けてみたくなりました。

MIHO

MIHO BROWNユーコさんのレッスンは是非皆さんに受けてみて欲しいです。とにかく美しい方で、見ているだけでやる気になります! しばらくバランスとか取っていないとフラフラするかもしれないけれども、やらないと先に進めません。

1ヶ月受けただけでもかなりの進歩。全体的に筋力がアップしました。いろんなポジションになるから、つらい筋トレとは意識が異なる。背中、腹斜筋、二の腕、首回り、股関節、太もも、内腿、ふくらはぎ、すべての部位に程よいテンションをかけられます。

だからといって、マッチョになるわけではなくて、程よい筋肉に戻れます。あと、どこの筋肉が落ちているのか、使えていない部分を感じられるからすごくおすすめです。

やっぱり私はこれが好き。


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これからはどういう表現者になりたいかイメージありますか?

MIHO

MIHO BROWNやりたいことはたくさんあるんですけど、子どもの頃からの夢 は歌って踊ってお芝居することでした。

あとは、老若男女問わず、たくさんの方々、自分も心から楽しめる作品を作ったりそこで踊ったりパフォーマンスしていきたいです。

皆さんに「この人を見たらわくわくする!人生楽しい!」って思われる存在になりたいです!

あと今度の9月に公演を控えた「Red Print」で芝居とダンスに挑戦します!今回素晴らしい演出家のもと、優秀なダンサーさん役者さんもいらっしゃる中、ダンスのリーダーを任せていただき、日々奮闘中です。

演出の大関さんはとても創造的で幅広い方で、毎回おっしゃることからものすごくインスパイヤされています。皆様、是非観にいらしてください!

もうひとつあります!

ジャズの生演奏をやっていたらそこにふらっと飛び入りして、私の踊れるあらゆるダンスでセッション、お客さんと大興奮したいですね。そういった即興性のある音楽とダンスがひとつになる時間も、両方過ごしていけたら幸せ・・・ですが、それは50〜60歳で!いえ、近い未来からカラダが動く限り(笑)叶えていきたいです。

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なんだか素敵な人生だなと伝わるお話でした。ありがとうございました!
interview & photo by AKIKO
edit by imu
'14/09/01 UPDATE
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MIHO BROWN、NANAKO(OH GIRL!)らが歌って演じて舞い踊る!


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