TDM - トウキョウダンスマガジン

KAZU・今もなお走り続ける、ダンスシーンの開拓者
人生的なことでは何かありますか?
24歳の頃には、ダンスだけじゃなくてROLEX中心にの高級輸入時計の卸売会社を経営してたんだよ。バブルの頃だったから、26、7歳の頃には年間で12億円ぐらい売り上げてたりして。でも、その後悪いことが重なって、会社も譲っちゃったし、ダンスもうまくいかなくなって人生のどん底を味わった。

でも、しっかり立ち直ったけどね(笑)。今考えると、ダンスを一からやり直したことと、良い友人がいてくれたおかげだと思うよ。
ダンスをやめようと思ったことはありますか?そういう調子の悪いときなどは?
それはないね。調子の悪いときでも、「生涯現役」と思ってるから、まだレースの途中だよなって思ってるんだ。最終的に、人生に勝利すればいいんだと思うよ。自分としては、逆に調子のいいときのほうが不安だね(笑)。
ダンスに対するスタンスは、どんな感じですか?
ダンサーには偉くなっていきたい奴と、上手くなっていきたい奴の2通りあって、僕は上手くなっていきたいほうなんだよね。

「そんなとこ出たら格好悪いよ」とか言う奴いるけど、僕は違ってて。どんな状況でも、どこ出てっても自分達自身が格好良いことやってれば、それは格好良いんじゃない?っていう姿勢で。あんまりベタベタ説教じみたことも言いたくないしね。KOJI君なんかも、僕と同じ信念みたいなのがあるんだよね。
これからの夢は?
夢というか、前はいろいろあったけどね(笑)。最近はSTREET MESSENGERSみたいないろんなチームダンスとかもやりつつ、ここ5年間くらいはソロとかやってたり、4年前から渋谷や町田の歩行者天国でストリートパフォーマンスをやったりしてるんだけどね、最近やっと独りだけでも(自分の満足のいくパフォーマンスが)出来るようになってきた。それが長いこと一番の目標だったんだけど、結構達成できてきてね。パフォーマーとして自分の世界っていうのを確立したかったから。

だから今、日本のストリート事情ってのは厳しいけども、やっと石原都知事の関係※でいろいろ変わっていく方向性ではあるよね。自分としてはストリートとしての文化をつくっていきたいと思うんだよね。親子とかで歩いてて、パフォーマンスを見たときに父親が子供に百円玉とか握らせて「入れておいで」って言うような、そういうストリートパフォーマンスが認めるられるような…日本ではあんまりないからね、そういうところに挑戦したいね。あとはクラブシーンでは、KOJI君なんかと一緒にステップ系のユニットとかをやってみたいな、と思って。基本はストリートでの活動をやってきたいんだけど、アンダーグラウンドなところの方ではそういうこともやってみたいね。
※石原都知事の関係で…:東京都では、石原慎太郎都知事のもと「ヘブンアーティスト」というシステムが導入されている。これは、さまざまなストリートパフォーマーにもっと活動の機会を与え、歩行者天国などを「娯楽の提供場所」として利用しようというもの。このシステムを契機に大道芸やストリートダンスが日本でも定着していくのではないか、との声も。詳細は、こちらをご参照いただきたい。
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