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Andre Fuentes 〜I’m always smiling.〜  
Andre Fuentes 〜I’m always smiling.〜
Andre Fuentes
LAを代表する、世界的に有名なジャズダンサーAndre Fuentes (アンドレ・フェンテス)が、この夏「2007ハリウッドツアー」参加者のために「CARNIVAL」での作品をプロデュースする。ブリトニー・スピアーズの数々のPVを始め、彼が生み出す振付は、独創的で忘れられない一瞬の画を作る。世界各国でレッスンを行い、ダンサーとして、コレオグラファーとして、まさにワールドワイドに活躍している。終始笑顔で自身のダンスライフを振り返ってくれた。

水を飲むように、ナチュラルにダンスが体の中に入ってきたんだ。

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あなたが手がけたブリトニーのミュージックビデオ、特に「Oops I Did it Again」、「Born to Make You Happy」の振付・世界観は素敵だね。ダンサーを選ぶ場合ってどんなダンサーを求めるの?

Andre

いろんな種類のダンスができるダンサーかな。どんなジャンル、シチュエーション、キャラクターにも適応できる、主役にも、脇役にもなれるダンサーだね。

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印象に残っている自分の作品ってある?

Andre

一番印象に残っているのは、2005年に日本で行ったBDCのショー「DECA DANCE」。初めて、構成演出、振付などショーのすべてに携わったんだ。すべてに携わっただけに、完成した時はまるで育て上げた子供の成長をみるようで、とても感極まるものがあったよ。

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そもそも、ダンスを始めたきっかけは何だったの?

Andre

アクシデントみたいなものだったよ。子供の頃は歌うことが好きで、シンガーを目指してたんだけど、17歳の時かな、当時のガールフレンドがダンスをやっていて、彼女に誘われてダンススクールに初めて行ったんだ。その時、水を飲むように、ナチュラルに体の中にダンスが入ってくる感覚になって、その日から今日に至るまで、ダンスを辞めたことはないよ。

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今までに多くの振付、演出、構成を手がけてきたけど、作品を作る上で、特に好きな要素ってある?

Andre

Andre Fuentes特にどの要素が好きっていうのはなくて、音楽も仕草も全部一つのものとして考えるよ。作業としては最初にストーリーを考えて、そのストーリーの上でダンサーを動かしたり、構成も決めていくんだけど、その過程の中にフィーリングも入れる。まるで絵を描いていくみたいに、自分の作った振りで思い描いた画になっていくっていうところが楽しいね。

でも、それはみんなが想像しているよりもそんなに難しいことじゃないよ。僕は、自分の作品に参加してくれるダンサーに恵まれてるんだ。彼らが僕の振りを自然に吸収してくれて、自然に表現してくれるから、でき上がった作品も自然にいいものになる。僕が特別なことをしているわけじゃなくて、周りの素晴らしいダンサーたちと一緒に創るからだと思うよ。

I love challenge.

Andre

僕はリハーサルの前までに準備するのが苦手なタイプで、その人を見て、動かしてみて浮かぶアイデアとか、その場で音楽を聞いてみて、ひらめくこととかでその場で創っていくタイプなんだ。でも僕の周りにはそういった考えを、その場で理解してくれるダンサーたちがいるから、そういった意味でも恵まれてるよ。

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じゃぁ、あんまり大変だった経験とかはないの?

Andre

小さい頃からダンスをやっている人よりも、踊り始めたのが遅かったから、バレエやジャズ、ヒップホップ、周囲が既に持っているベーシックやテクニックをすごい勢いで吸収しなくちゃいけなかった。そういう意味では大変だったかもしれないな。その人たちよりも早くレベルを上げなくちゃいけない、それが自分にとっては挑戦だったけど、挑戦することが好きだから、辛いと思ったことはないね。

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今までに何か転機になった出来事は?

Andre

Andre Fuentes最初の仕事だね。16歳の時、まだダンスを始める前だったんだけど、人に誘われて、マイケル・ジャクソンのオーディションを受けた時に、約2000人の子供たちの中からの12人に選ばれたんだ。大観衆の前でマイケルの後ろで踊ることになったんだけど、僕以外はダンサーで僕はダンスをしたことがないから、ただ音に合わせて動いてるだけ。お客さんと一緒に「キャー!マイケルー!」って叫びたくても、僕はステージの上だから叫べなかったしね (笑) 。でも、その時に自分の中でダンスが「これだ!」って思えたんだよね。

今でも僕はまだ学び続けているし、まだまだ生徒なんだ。

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ダンスを始めてから今までの14年間、振り返ってみるとどういう気持ちで踊ってきたと思う?

Andre

毎年何か新しいことに挑戦してきたから、いつも新鮮な気持ちだったよ。14年間の中で自分がやってきた振付や構成・演出の仕事から学んだこと、過去の自分がダンスでやってきたものすべてが、少しずつ積み重なって、それが集結して今の自分を作っているよ。今でも僕はまだ学び続けているし、まだまだ生徒なんだ。これからも新しいことがあったら挑戦したいし、成長し続けていきたいね。

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今、何か具体的に挑戦したいと思っているものはある?

Andre

今は舞台監督に興味があるんだ。ブロードウェーとかのミュージカルや、ワールドツアーを回るようなビッグアーティストのディレクターとか、ミュージカルの脚本も書いてみたいね。あとは、世界を楽しみたい。いろいろな国に行って、ダンスを教えながら、フィーリングを伝えて、足跡を残していけたらいいな。“世界のアンドレ”って言われたら最高かも! (笑) 。

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日本のダンサーに対しての印象は?

Andre

僕が約10年間教えてきて思うのは、日本人はすごい真面目で、熱心に練習するし、新しいものを吸収しようとする努力をするね。でも、アメリカで教えているのに比べると感情を表現することを恥ずかしがる傾向があるかな。だから、僕が伝えるフィーリングを新しいと感じて、取り入れようと挑戦する。新しいことを取り入れることを拒まないんだよね。たぶん日本の文化的なところもあるのかな。

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今まで踊ってきた中で、一番緊張したのはいつ?

Andre

Andre Fuentesいつもだよ (笑) 。例えばレッスンで皆の前で1人で踊る時でも、自分の思っていることがちゃんと通じるかを考えるし、レッスンの前に、今日はこういうコンセプトでやりたいけど、ちゃんと伝わるかなって考える。そういういい意味での緊張感は常にあるけれど、恐怖や不安といった悪い緊張感は特にないね。最近は年を取ったせいかわからないけど、もう舞台が家みたいになってるよ (笑) 。ステージに立つ前も、早く踊りたい!ってワクワクするんだ。

自分に合った目標を持って、夢を追うことを忘れずに。

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踊る上で一番気を使っているところは?

Andre

人はよく何か特別なことをしてる?って聞くけど、ホントに何もないんだよね (笑) 。ただ、唯一言えるのは、今でも踊っていることかな。あとは、いつも笑うこと!いつもハッピーな気持ちでいるから、何事でも楽しむことが健康の秘訣かな。

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では、最後にTDMを読んでいるダンサーにメッセージを!

Andre

Andre Fuentes常に目標を持って、必ずそれには期限を持つこと。あまり高すぎる目標ではなくて、自分に合った目標を段階を踏んで立てるといいよ。例えば僕だったらいつまでに何のミュージックビデオに出るとか、何歳までに何のディレクターをするとかね。目標がないと、ただ毎日が過ぎていくだけ。これはいつの時代の、どの国の、どんなスタイルで、どんなキャリアのダンサーであっても言えることだと思う。目標を達成したら、また次の新しい目標を作る。そして、常に自分の夢を追うことを忘れずに努力していけば、夢はきっと叶うよ。

TDM

ありがとう!

Andre

Thank you
interview by AKIKO
Supported by SAKURA (Source Dance LA Manager)
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