おもしろいやつを選ぶ力が優れていたんです！(笑)

TDM

：

芸人の方にインタビューをするのは、はじめてです！よろしくお願いします。まずは、お笑いをはじめたきっかけを教えてください。

ツネ

：

お笑いのきっかけは、ちっちゃい時からテレビの世界に興味がありました。幼稚園の時、バブルの時代から、とんねるずさんの番組を見ていて、テレビの中で楽しいゲームをして、成功したら賞品をもらっていたんです。 「なにこの世界！？なんでこんな楽しいことして、こんなものを貰えるんやろ！？」って思って、「僕も出て、そんな賞品もらいたい！」と、そこからすごく興味を持つようになりました。ただ、物欲が大きかっただけかもわかんないですけど。 そこから、お笑い芸人という仕事があることも知らず、成長するにつれて、ナインティナインさんのコントをテレビで見て、「こんな仕事できたら楽しいやろな〜」と思いながら、そこからテレビが好きになって、テレビっ子になりました。 ナインティナインさんはどの事務所に所属しているのか、どういう経歴なのかと調べたら、NSCというお笑いの養成所に行っていたということを知って、じゃ、僕も行ってみようかなと思って入ったんです。

TDM

：

高校を卒業してからですか？

ツネ

：

高校を卒業して、4年間フリーターをしてからですね。最初は1人で養成所に行く勇気もなかったし、養成所に行くためのお金を貯めようと思っても、遊んでばかりで全然貯められなかったんです。 養成所に入る前の年くらいに、「はねるのトビラ」(フジテレビ系列)というコント番組を見ていて、ナインティナインさんの「めちゃめちゃイケてる」(フジテレビ系列)と作りも似ていて、それを見た時に「あ！俺、そういえばこういう仕事やりたかったんや！よし、来年から行こう！」と決めて、養成所に行くことになりました。

TDM

：

養成所ではどんなことをするのですか？

ツネ

：

まず、コンビを組まされます。そして、何も教わらないままネタを作るんです。それをみんなの前で披露して、ここが悪い、こうやった方がいいとかいろいろ言われます。 それを繰り返していって、たまに、お笑いの方程式を教えてもらったり、起承転結をつけた方が物語としておもしろく見えるとか、そういう細かい話を教えてもらいます。

TDM

：

今振り返ってみて、養成所はどういう場所でしたか？

ツネ

：

いろいろ勉強したし、先生にもいろいろ教えてもらいましたけど、僕は基本ネタを作れないんです。結局ね、センスなんですよ。努力して勉強すればできるんでしょうけど、僕は勉強苦手やし。 だから、おもしろいやつを見つけるという方に力を注いたんです。おもしろいやつを選ぶ力が優れていたんです！(笑) 養成所はクラスがいろいろ分かれていて、最初は僕、一番下のクラスやったのに、その時に組んだ相方とやっていたら、一番上のクラスになりました。 中間発表で、お客も入れてのネタ披露がありまして、その時に自分もいろんなコンビを見ながら、おもしろいなぁと思う人がいます。のちに何人かはコンビを解散して、そんなピン同士がまたコンビを組まされるんですが、その時は「あ、中間発表の時におもしろかった人だ！」と覚えている人と組みました。一番上のクラスにいくと、卒業公演で一番長い、3分間ネタができるんです。 卒業してからもその相方と組んでやっていたんですけど、相方が辞めてしまって、でも、中間発表会の時のおもしろかった人のことが頭にあったので、みんなに「あの子の電話番号教えてくれ」と言って、声かけて、組みました。 オーディションに受かったりしつつ、その相方と組んでいた時に、今の相方と出会うんですよ。僕が24歳くらいの時です。 今の相方は、一個先輩なんですけど、当時芸人を離れて、バンドしていたんですよ。でも、バイトが一緒やったんです。だから、お笑いではなく、バンドの話とか聞いたり、もともと芸人だけあって日常一緒にいても話がおもしろいんですよ。だから、「この人おもしろいな〜」と思いながら、僕は僕で別の相方とコンビでやっていました。 そんな時に、先輩のバンドが解散したんですよ。「じゃ、僕、この人とやりたい！」と思って、その時組んでいた相方に「ちょっと申し訳ないけど、俺、一緒にやりたい人を見つけた。」と言いました。 最初はすぐには聞き入れてくれなかったんですけど、俺がホンマにもう、決めてしもたんですね。それで、すぐに今の相方に「やりませんか。」と言ったら、OKをもらったんです。 そして、組んで、オーディションを受けたら、受かったんです。大阪に“baseよしもと”という、若手の吉本芸人が出る劇場があるんです。そこは何百組というコンビがオーディションを受けているんですけど、本当に限られた人しか、舞台に立てないんですよ。 いろんな細かいオーディションがあって、それに受かった組同士の対決をして、更にその後、もともと舞台に立ってた人との対決に勝ち抜いて、やっと舞台に立てるんです。 今の相方と組んだら、結構すぐにそのオーディションに受かって、そこで舞台に立てて、キングオブコントというショーレースを受けようとなって、受けたら、決勝まで上がったんです。 決勝の舞台では、すっごいスベったんですけど(笑)。でも、まぁそれで東京に行こうとなって、東京に来ました。2700になってから、トントンときた感じですね。

TDM

：

2700という名前の由来は？

ツネ

：

相方も同じだったバイト先が建築現場だったんです。その時によく運んでた資材の長さです。2700mmでした。

TDM

：

2m70cmってことですか！「そこの2700取って。」とかそういう会話をしてたとか？

ツネ

：

そうですそうです。それを運んでたんです。 時代的にも2700という数字だけのコンビ名も他にいなかったので、たまたま決めたにしてはハマりましたね。

TDM

：

名前が決まった時の流れは？

ツネ

：

その時は、相方と僕と、もう1人の先輩という3人の現場だったんです。 「お前らコンビ組んだらしいやんけ〜」 「あ〜、そうなんすよー。」 「コンビ名なんて言うんや？なんて言うんや？」 相方が適当に目の前にあった資材を見て、 「あー、2700、2700です。」 とたまたま流す感じで答えたんです。 相方もその時、自分で言ったのも忘れてるくらいで、いざコンビ名を決めようとなった時に、「こないだ2700って言ってたの、僕はいいと思いますよ。」「あ、じゃ、そうしよっか。」と。それで決まったんです。

気がついたらジージャン着て踊ってましたね。

TDM

：

ダンスをはじめたきっかけは？

ツネ

：

一番はじめのきっかけは19歳の時に、地元の友達がブレイクダンスやっていて、俺もやりたいと思って友達に教えてもらっていたのが最初です。 その子と2人で地元の駅のツルツルした床のところで教えてもらっていて、そのあとも大学のサークルでやってただけで、特別近くにうまい人もいたわけではなかったので、そんなにうまくならなかったです。全然成長しなかったですね(笑)。

TDM

：

でも、ネタに踊りを組み込んだきっかけはその時から？

ツネ

：

いや、それは相方が見つけてくれました。 最初、僕らは漫才をしていたんですが。どうやら僕のツッコミが下手くそみたいで、「こいつにツッコミはさせられへん」となって、ネタは全部相方が作ってくれるんで、「こういうネタはどうやろう？」といろいろ試している中に、ちょっと踊るコントがあったんです。 その時の僕のキレがよかったみたいで、「こいつを動かしたらおもしろいんちゃうか」ということで、そこからですね。 僕はツッコミをやりたかったんですけど、気がついたらジージャン着て踊ってましたね。

TDM

：

そのスタイルになってからどれくらい？

ツネ

：

リズム系をやり出したのは、組んだ年からですね。相方ももともと音楽とか好きなので。

TDM

：

相方の八十島さんは何系のバンドをやってたの？

ツネ

：

楽器はベースで、ジャンルはラウドロックというやつでした。僕も良くわかんないんですけどLinkin Park的な、ラップもあってシャウトもしたりとか、結構ハードな感じ。

TDM

：

リズム感とかテンポで共通するものが合ったのかな。相方さんも楽しいでしょうね。

CHAZ

：

最近のネタは音の取り方もものすごく細かいし複雑ですよね。

ツネ

：

だからなのか、たまに、ロックバンドの人から「お前ら最高だよ！」って言われることがありますね(笑)。

「ダンスをやりたいなら、自衛隊でトップになりな。」

TDM

：

CHAZくんのダンスをはじめたきっかけは？

CHAZ

：

俺は、ダンス甲子園ですね。あれを見て「わっ！」と思って、親戚の兄ちゃんもランニングマンを教わったりしてからですね。高校の文化祭にダンスで出たりしましたが、卒業後は自衛隊に入りました。

TDM

：

自衛隊に入ろうと思ったのはどうして？

CHAZ

：

高校2年生の時に、阪神大震災が起きて、「これは救わなければ。自衛隊はかっこいい。」と思いました。 結局、報道で映されているのは警察で、もっと見えないところで働いているのが自衛隊だと、自分の親戚に自衛隊のおじさんがいたので、そういう情報も聞いていました。警察の方もたくさん活躍してる報道のなか、自衛隊も実は最前線で活躍していたことを知って、卒業後はダンスは関係なく、自衛隊に入りましたね。 でも、ダンスが好きな気持ちは変わらなくて、その時札幌にいたんですが、「今札幌で自衛隊やめてダンスはじめるのもな〜」と親に相談したら、「ダンスをやりたいなら、自衛隊でトップになりな。」と言われました。 その後全国から猛者が集まる、自衛隊の東大と言われている特殊部隊の第一空挺団にも入りました。そこで訓練をして、200人中1位になったんです。期間としては札幌1年と特殊部隊1年いました。 その間に貯めたお金で、自衛隊を辞めてから代々木にあるダンスの専門学校に入りました。 卒業してから北海道に帰って、ダンススクール開いて、生徒を100人に増やして、市民文化会館借りて、1200人を動員して、その収益でロサンゼルスに3ヶ月間修行して。 そして、また帰ってきては、イベントやって、今度はニューヨークに行ったりというのを繰り返してました。

TDM

：

それから東京に来たのはどういう流れで？

CHAZ

：

北海道でお金は貯まるけど、すぐ使ったりして、これでいいのかな？と思っていました。そんな時に東京のコンテストに出たんです。 ロサンゼルスで習ってたDANTEが審査員で来るということもあって、俺らがどこまで通用するかわからなかったので、もし結果が残せたら東京に行こうと思いました。 それで、NOZOMIと2人で出て2位になりました。それで、通用するなと思って東京に出て来たのです。北海道に何百人という生徒を置いて東京に来ちゃったので、あの時は辛かったですね。 でも、その時の生徒が今は先生になっていたりするので、蒔いた種は開いたのかなと思います。こっちに来て良かったなと。

キッズたち見たら、「俺も頑張らなあかんな！」って。

TDM

：

今回のWORLD WIDEで長いお付き合いだというお2人にコラボしてもらうわけですが、出会った経緯は？

ツネ

：

CHAZさんと出会ったのは、「バカソウル」(テレビ東京系列)という番組でした。僕らは普段から歌って踊るネタをやっていたので、普段ネタでやってない部分にも踊りを付けようとディレクターから言われました。「ダンサーをつけるから振付してもらって。」という感じで、女の先生を紹介されました。 次もその先生にお願いしようと思ったんですが、その先生が忙しくてダメで、代わりに来てくれたのがCHAZさんだったんです。その時にCAHZさんと意気投合して、連絡を取り合うようになって、更にヨガをやってると聞いて、ヨガにも興味もあったので、一度飲みに行ったんですよね。

CHAZ

：

そうそう。ダンサーとお笑い芸人なんで、違う業界だし、エンターテイメントということでは同じですけど、互いにいろいろと話せるんです。芸能界の話を聞いたり、今自分がやってるヨガとか解剖学とか、ダンスについて話したりしましたね。

ツネ

：

そこからダンス検定っていうものがあるという情報を仕入れて、CHAZさんに「僕、ダンス検定取りたいです。」と相談して、そこからCHAZさんのレッスンに行くようになりました。

TDM

：

そうして、自衛隊仕込みの、根性のレッスンを受けはじめちゃったんですね(笑)。

ツネ

：

いやーそうなんですよ、ほんとに。キッズたちもよくついていってるなーと思うくらい。もう、すごいですよ。

CHAZ

：

キッズのレッスンにも一緒に受けに来てくれるんです。キッズはテレビに出てる人が来るんで、喜びますね。ツネくんは頑張り屋さんなんで、ダンスに対してめちゃくちゃ熱いです。 普通、芸能人の方って一般のところになかなか通い難いじゃないですか。それでも、全然構わずに「みんな頑張ろう！」って盛り上げてくれたり、ひと笑い起こしてくれたり、サービス精神がすごい。

ツネ

：

やっぱ踊ってても楽しいんですよね。それを一生懸命やってるキッズたち見たら、「俺も頑張らなあかんな！」ってめっちゃ思えるんです。

TDM

：

レッスンの空気が良さそうですね。踊りの魅力をどう思いますか？

ツネ

：

見てたらかっこいいと思いますし、明らかに意味のわからない動きとかもするわけじゃないですか。「どうやったらそんな動きになるんや？この部分とその部分がなんでこんな風に動くんや？」とか、すごく不思議で、そこにすごく魅力があるんです。 実際に踊るとすぐはできないわけです。でも、何回か練習してるうちに、だんだんできてくるんです。その時が、めっちゃ気持ちええんですよ！僕がすごいと思っていたことが自分でできてるとなると、そこに興奮しますね。

TDM

：

今回のステージと普段のネタをやることと、気持ちの違いはありますか？

ツネ

：

そうですね。やっぱり緊張感は増しますね。

CHAZ

：

ダンスの初舞台がWORLD WIDEですもんね。

ツネ

：

はい、初下ろしのネタとかが飛ばないようにだけ気をつけたいですね。

TDM

：

ダンスの初舞台ですもんね！キッズとの共演もネタも楽しみにしてます。今日はありがとうございました！した！