TDM - トウキョウダンスマガジン

基礎知識シリーズ第1弾
ミドルスクールってなに?〜ヒップホップダンサーのトレンド('89〜)

「今」のニュースクールと「これから」のミドルスクール…
1999から2000年、そして今年になってはっきりと新しい波がやってきたヒップホップダンス。それは「ヒップホップがお金になりだした」ことが大きいだろう。

ヒップホップの曲が日常的にビルボードの上位に食い込むようになり、さらにビデオ クリップがその重要性を増してきた。音だけでなく映像を、となればダンサーの必要 度が増す事は当然であり、ショウビジネスの場にヒップホップダンスが取り上げられる事が多くなったというわけだ。

そこでジャズダンスとヒップホップが近づいてきた 流れと、最近のヒップホップの音楽的充実が組み合わさった結果、最新のヴィデオク リップに見られるようなスタイルが発展したのだと思われる。 当然、そのカッコよ さは再び日本中に大きな影響を与えつつあり、HARLEM SHAKERSの作り出した"SHAKE" の流行等はその良い証拠だろう。
一方で基本的なスタイルを変えずに来たミドルスクール勢の中で、特に注目すべきなのはSTRUTから分離したBUTTERではないだろうか。

幻のイベント"ZERO"での5KARATとしての パフォーム以降、元FOOLISHのAMURIの加入等を経て、強烈なオリジナリティが売りに してきたBUTTER。一歩間違えば創作ダンスに逸脱しかねない危険性をはらんでいる彼 等が、しっかりと「HIPHOP」で あり続けていられる大きな要因はミドルスクールの影響が大きいのではないだろうか ? 「ミドル」を受け継いで複雑に発達させたリズムの感覚と、独創性に満ちたアイ ディアのバランスこそ、新しいモノを作るという一つの実例だろう。

既に「ニュースクール」は新しいスタイルではない。これから、アライブ以降「ニュースクール」と呼ばれたスタイルは「ニュースクール」でありつづけるのか、それとも「ミドルスクール」に吸収されていくのか。もともとの意味に忠実であれば、最新のスタイルこそが「ニュースクール」なのだ。ということは、いままで「ニュースクール」と呼ばれて来たスタイルはこれからどうなるのか? いずれにせよ、日本人独自のヒップホップスタイルの可能性、その中心に「ミドルスクール」がありつづけることになるだろう。

'01/10/17 UPDATE
文責:TDM編集部
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